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第3世代で大幅高速化「M3 MacBook Pro」を試す(西田宗千佳)

MacBook Pro 14インチ・M3搭載モデル。カラーはスペースグレー

 アップルが11月7日から発売する、M3搭載MacBook Proのレビューをお届けする。M3には「M3」「M3 Pro」「M3 Max」の3種類があるが、今回試用したのは「M3」を搭載したMacBook Proである。

 実際に使ってみるとこの製品の位置付けがよくわかる。別の言い方をすれば、「どんな人がどのM3を選ぶべきか」ということも見えてくる、という話だ。ベンチマークソフトなどの値も含め、M3版の価値を考えてみよう。

M3搭載Macとはどんなものなのか

 アップルがMacに自社設計半導体である「Mシリーズ」を使うようになって3年以上が経過した。これまでは色々な製品が出るたび、数字だけが末尾である「無印」と、よりハイエンドな「Pro」「Max」が刷新されてきた。ただ、今回のように3種類が同時に発売されるのは初めてのことになる。

 位置付けは以前と変わらない。

 無印が「価格重視で普及型」、Proが「性能が高いプロモデル向け」、Max以上が「より高い性能を求める限られた人向け」という感じだ。

 今回、試用機として手元にあるのはM3搭載モデルだ。これまでMacBook Proは、M1搭載の「13インチモデル」とM2 Pro・Max搭載の「14インチモデル」「16インチモデル」があったが、13インチモデルがラインナップから外れ、14インチモデルでM3からM3 Maxまで、3種類のプロセッサーが使われるようになった。

筆者私物の13インチMacBook Pro(M1搭載)。インテルMac時代に登場したデザインを引き継いでいた

同じく筆者私物の14インチMacBook Pro(M1 Pro搭載)。デザインはここから変更になり、M3版にも引き継がれている

 13インチモデルのボディデザインは2016年に登場したものを引き継いでおり、2021年に14インチ・16インチとしてリニューアルしたものとは違っていた。すでにMacBook Airも新デザインになっており、古いデザインをここで一掃した形になる。

 だから製品としての位置付けも、M3搭載MacBook Proについては「M1搭載13インチMacBook Pro」のそれを引き継いでいる。

M3版MacBook Proの端子部。USB-C端子は左側に2つ。右側はHDMIとSDカードだ

M1版MacBook Proは、同じくUSB-Cが左側に2つだが、MagsafeやHDMI、SDカードスロットがない

 USB Type-C端子が本体左側に2つ、というのもその一例。これは無印Mシリーズを搭載したMacBook Pro共通の特徴であり、13インチモデルも同様だった。理由は無印Mシリーズが「USB端子を2つしかコントロールできない構造」であるからだ。逆に言えば、同じ14インチMacBook Proでも、プロセッサーが異なるM3 ProとM3 Maxは端子が3つある。「M3になってUSB Type-Cが減った」という書き込みがSNSで見られたが、それは誤解である。

M3世代でも、一番下のM3版はスペースブラックではなく「スペースグレイ」

 13インチに比べ改善された点もある。それがディスプレイだ。通常のバックライトからミニLEDタイプに変わった。筆者は2年間、M1 Pro搭載の14インチMacBook Proを使い続けているが、画質は明白なほどに差がある。

 なお、今回MacBook Proには新色「スペースブラック」が追加されたが、こちらはM3 Pro以上を搭載したモデルのみに採用されている。M3版MacBook Proは、従来からある「スペースグレイ」と「シルバー」。今回試用したのはスペースグレイのモデルである。

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