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無人オーケストラコンサートの縮小版、野外でより多くの人に

2023年11月03日 17時00分更新

無人オーケストラコンサート 縮小版体験会

 「演奏者がいないのに大迫力の演奏が聴ける不思議な体験」。そんなキャッチフレーズで開催されているのが「無人オーケストラコンサート」だ。主催は横浜みなとみらいホール(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)。これまで(2020年、2023年)はオーケストラと同じ配置スピーカーをホールに設置してきたが、その内容が屋外に飛び出した。

 10月14日に開催された「無人オーケストラコンサート 縮小版体験会」の様子を紹介する。

オーケストラの楽器と同じ位置にスピーカーを配置

 無人オーケストラは、オーケストラの生演奏を演奏者それぞれの前に設置したマイクで収録。その音源を収録時の奏者と同じ位置に設置したスピーカーから出力する事で、録音でありながら生演奏に近い臨場感、生演奏と同様の場所か音が鳴る立体的な音の再現を特徴としている。普通のコンサートではオーケストラはステージ上にいて、観客は席に座ってその音を聴くが、無人オーケストラであれば演奏を邪魔せず、各楽器のそばで特定のパートだけを聴いたり、普通は立つことができない指揮台に立ってオーケストラならではの音を体験できる。

 まったく新しいオーケストラ体験ができるイベントなのだ。

 無人オーケストラコンサート 縮小版体験会は、その魅力をより多くの人に体験してもらうために屋外ステージで開催。スピーカーの数などは減らしてコンパクトにはなっているが、2023年3月に横浜みなとみらいホールの大ホールで開催したものと同じ音源を使用。演目はチャイコフスキー:バレエ音楽《くるみ割り人形》組曲 Op.71-a より第8曲〈花のワルツ〉、ストラヴィンスキー:バレエ音楽《火の鳥》組曲(1919年版)より。 演奏は小森康弘(指揮)の横浜シンフォニエッタだ。

無人オーケストラコンサート 縮小版体験会
無人オーケストラコンサート 縮小版体験会

 広い芝生で家族が集う、横浜のグランモール公園/美術の広場(「MM Grass Park 2023」STAGE AREA)という開放的な空間に置かれた屋外ステージで、予約などもなく、誰もが聴けるコンサートになっていた。当日はのべ214名が体験したという。

無人オーケストラコンサート 縮小版体験会

 機材にはヤマハのパワードスピーカー「DXR8」「DXR10」「DXR12」「DXR15」を使用。音が広がる屋外ということで、再生に当たっては調整を加えており、ホールならではの響き(アンビエンス)をより強く出しているという。ヨーロッパなどの海外では街中でのオーケストラ演奏と言ったイベントもよく見かけるが、音楽に触れ合う機会を増やしたり、オーケストラの仕組みをより分かりやすく体験できる機会として、オープンの場での演奏というのは価値がありそうだ。

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