新しいSnapdragonは生成AIを強化しOSをまたがる連携が可能に
Snapdragon 8 Gen 3は生成AIで写真機能が向上
スマホに搭載されるSnapdragon 8 Gen 3も、NPUの性能を大幅に強化し、AIでできることが増えている。以下は、基調講演でも紹介された「Photo Expansion」という機能。写真を拡張し、本来であればセンサーが捉えていない“周辺”は生成AIで描くというものだ。周辺生成のために数秒の時間はかかったが、完成した画像は実に自然。より複雑な背景の場合、不自然な描画がされる可能性はあるが、最初からこのような構図で撮ったと言ったら信じられてしまいそうなクオリティーだった。
スマホ上でStable Diffusionを使い、文字から画像を生成することも可能になる。Stable Diffusionへの対応は先代の「Snapdragon 8 Gen 2」のころから進めており、2月にスペイン・バルセロナで開催されたMWC Barcelonaでも披露されていたが、このときは、生成までに1枚15秒前後の時間がかかっていた。これに対し、Snapdragon 8 Gen 3では1秒未満まで高速化している。NPUの性能向上が、スピードに直結した格好だ。
また、フロントカメラとアウトカメラを使って風景と自分を同時に撮影し、リアルタイムでそれを動画として合成する機能も、AI処理が高速化したSnapdragon 8 Gen 3で実現できるものの1つだ。屋外で試した際には、髪型のせいか“雑コラ”のような仕上がりになってしまったが、精度が上がれば、1人での動画配信をするような際に自然な映像を作り出すことが可能になる。
ほかにも、動画撮影時の感度を大きく向上させ、暗視カメラのように真っ暗な場所でも映像を映し出せる「Night Vision」も、デモとして公開されていた。ここで紹介したデモは、いずれもSnapdragon X EliteやSnapdragon 8 Gen 3上に実装されている。
近い機能がスマホやPCに実装されるかどうかは端末の開発を手掛けるメーカー次第にはなるが、少なくとも、実現のための下地は整ったと言えそうだ。
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