本連載では、ASCII.jpに掲載されたAI関連記事を中心に紹介、最近のAI事情を俯瞰していく。今回は10月上旬(10月1日から15日)の主なニュースを振り返ってみよう。
Bing、無料で最新の画像生成AI「DALL·E 3」試せるように。日本語もOK(10月2日)
DALL·E 3がサラッと公開になったが、OpenAIから使うよりも、Bingから使ったほうがコスパ的には良好だったりする。
画像生成を大手が提供するようになり、普通の人にとっては「安価にちょっとした絵が描ける」のでありがたい状態になってきたが、一方で、こうしたサービスは色々と内部的に制約もかけている。
制約の少ないサービスも存在するし、のちに述べるAdobeの例もあるが、クリエイターが「制約のない画像生成AIをローカルに持つ」世界はありうるように考えている。
だから、一般向けとクリエイター向けでは、見える世界が変わってくるかもしれない。
Pixel 8/Pixel 8 Pro発表! AI活用のカメラがさらにスゴい! 無印8は小型化(10月4日)
Pixelが使っているのが生成AIか、というとかなり微妙なのだが、そもそも技術的に機械学習とLLMベースの生成AIを隔てるものは小さく、ユーザーとしては「価値さえ享受できればOK」だから、特に問題はないだろう。
実際、Pixel 8は素晴らしい。Display Port Altモードでの画面出力が封じられている以外に不満点はほぼない。
画像系・音声系についてはオンデバイスでAI処理をし、差別化要因としているのがにくい。結局のところ「出来上がった画像・音声データを処理している」ので、Pixel 8自体で撮影しなくてもいい。だから他もサービスやアプリとしてできそうなものなのだが、UIを含めうまくまとめているのが素晴らしい。
一方、「それは本当に新機種だけの差別化要因なのか」が不明確なところはあり、一部機能が追って他機種に実装されることもある。
この辺も含めて、Pixelの戦略は味わい深い。
GoogleアシスタントがAIチャットボット「Bard」と統合 パーソナルアシスタントに進化(10月5日)
AIアシスタントと生成AIの組み合わせは非常に大きな可能性がある。一方で大手ITプラットフォーマーは、ここまで両者の統合を進めてこなかった。
理由は、「素早く命令をこなしてほしい」要素が強いアシスタントと、「滑らかに文章は作るが素早い命令理解が得意なわけではない」生成AIの特徴をどう組み合わせるか、という点にある、と筆者は考えている。
ようやく各社は、「生成AIによる作業とアシスタントに求められる機能」の組み合わせを真剣に考えた機能を提示しつつある。実際に使うまでなんとも評価はできないが、「スマホや個人が持っているデータとの連携」がカギになる領域であり、大手プラットフォーマーには有利な部分、という認識は持っておいた方がいいだろう。
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