AMD Ryzen 7000 series CPU搭載で Ryzen AIを内蔵
16型OLED搭載の軽量ノートPC「Swift Edge 16」実機レビュー
日本エイサーは16型ノートPCの新製品「Swift Edge 16」(SFE16 43)を発売した。
本製品は16型WQXGA+(3200×2000ドット)OLEDディスプレーを搭載したクラムシェル型ノートPCで、前モデルは一時品切れが続く人気機種だった。
大画面かつ、高精細・高輝度・広色域のOLEDディスプレーを搭載しつつ、厚みは12.95mm、重量は1.23kgという薄型・軽量ボディーを実現しているのが最大の魅力だ。
またZen 4アーキテクチャーの最新AMDプロセッサーを搭載しながら、カタログ値で9時間というバッテリー駆動時間を達成している。つまり、最高画質を長時間活用できるディスプレー特化型マシンなのだ。
今回実機を日本エイサーより借用したので、スペック、外観、使い勝手、パフォーマンスなどについてじっくりとレビューしていこう。
AMD Ryzen 7000 series CPU搭載で、Ryzen AIを内蔵
ウェブカメラは1440pと高解像度
Swift Edge 16はOSに「Windows 11 Home」、CPUに「AMD Ryzen 7 7840U」(8コア、16スレッド、最大5.1GHz、28W)を採用。世界初の組み込み AI エンジン「Ryzen AI」を内蔵している。
メモリー(LPDDR5)は16GB、ストレージ(PCIe Gen4 x4接続SSD)は512GBを搭載している。基本はこのワンモデルで、上新電機で販売するものは「AMD Ryzen 5 7640U」を搭載するなどの4モデル構成だ。
ディスプレーは16型WQXGA+ OLED(有機EL)で、解像度は3200×2000ドット、16対10比率、ピーク輝度500ニト、コントラスト比は100万対1。色域はDCI-P3で100%、リフレッシュレートは120Hz、表面はグレアである。VESA DisplayHDR True Black 500と、TÜV RHEINLAND Eyesafeの認定を受けている。ディスプレー上部には1440p QHDウェブカメラとマイク×2が内蔵されている。
インターフェースはUSB4×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、HDMI 2.1、microSDメモリーカード、3.5mmコンボジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6EとBluetooth 5.1をサポートしている。
本体サイズは357.6×245.9×12.95mm、重量は1.23kg。54Whのリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は9時間と謳われている。
魅惑のOLEDのDCI-P3カバー率は100%
リフレッシュレートは最大120Hz
Swift Edge 16最大の売りは16型のWQXGA+ OLEDディスプレーだ。DCI-P3 100%の色域が謳われているが、カラーキャリブレーション機器で実測したところ、sRGBカバー率は100%、sRGB比は156%、AdobeRGBカバー率は97%、AdobeRGB比は115%、DCI-P3カバー率は100%、DCI-P3比は115%という非常に広い色域を確認できた。
AdobeRGBカバー率も100%に近いので、キャリブレーションさえ実施すればAdobeRGBの色空間で撮影したRAWデータの現像にも利用できる。またリフレッシュレートも120Hzと高速だ。クリエイティブワークだけでなく、3Dゲームなども快適にプレイできるディスプレーである。
本機には1440p QHDという高解像度なウェブカメラが搭載されている。AMD Ryzen AIを活用したWindows Studio Effectsで、自動フレーミングや背景ぼかし、視線補正が可能だ。
Windows 11の「カメラ」アプリで実際に撮影してみたところ、室内灯下でも非常に明るく、高精細に撮影できた。暗部にはややノイズが目立つが、オンラインビデオ用途であれば問題ないだろう。
キーボードは、キーピッチが実測19mm前後、キーストロークが実測1.4~1.5mm前後。前モデルでは英語配列だったが、今回から日本語キーボードとなり、さらにテンキーも搭載となった。
英語配列と同じキーボードパネルが流用されているので一部キーが密着しているが、全体的にはスペースに余裕があるのでフルスピードで入力できる。
12.95mmの薄型ボディーを実現したためか、強く打鍵するとキーボード面のたわみが少し気になるが、気持ち軽めにタイピングすれば実用上問題ないレベルだ。
CPUは旧モデルの123%
3Dでは最高166%に
最後に「Swift Edge 16」(以下、新Edge 16)のパフォーマンスをチェックしよう。今回は比較対象機種として、Ryzen 7 PRO 6850U/RAM16GB/SSD1TB(PCIe Gen4 x4接続)を搭載する「Swift Edge」(以下、旧Swift)を使用した。
まずCPU性能だが、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は12453pts、CPU(Single Core)は1738ptsとなった。
旧SwiftはCPU(Multi Core)が10102pts、CPU(Single Core)が1512ptsだったので、新Edge 16はCPU(Multi Core)で約123%相当、CPU(Single Core)で約115%相当のスコアを記録したことになる。
マルチスレッド性能だけでなく、シングルスレッド性能も着実に向上している。ほぼすべてのアプリで性能アップの恩恵を受けられることになる。
一方3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyは2925、Fire Strikeは6735、Wild Lifeは15481、Port Royalは1334となった。
旧SwiftはTime Spy 2518、Fire Strike 6278、Wild Life 14051、Port Royalは805だったので、新Edge 16は約116%、約107%、約110%、約166%相当のスコアを記録したことになる。
推定ゲームパフォーマンス(Estimated game performance)は「Apex Legends」(1080p Ultra)で50~75fps。フルHD解像度であればストレスなく3Dゲームをプレイできるわけだ。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「HFS512GEJ9X125N」が搭載されており、「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7163MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は5029MB/sを記録した。PCIe Gen4 x4接続SSDとしては上位クラスの高速読み書き性能を備えており、クリエイティブ系アプリ、ゲームなどでその恩恵を受けられるはずだ。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、8時間32分動作した。
54Whのバッテリーでこれだけ動けば、外出時も安心だ。重量1.23kgの新型SwiftはモバイルノートPCとしても高い適性を備えている。
画質要視でモバイル性能に優れたマシンを探しているのなら
新Swift Edge 16は最有力候補だ
Swift Edge 16は、16型の高精細・高画質なOLEDディスプレーを採用しつつ、重量1.23kgで実使用8時間を軽々超えるスタミナ性能を実現している。そして12.95mmという薄型ボディーにType-AやHDMIなどを含む新旧インターフェースが豊富に装備されている。Ryzen 7 7840UはフルHD解像度であれば3Dゲームもストレスなくプレイ可能だ。
ディスプレー画質を最重要視しつつ、携帯性&長時間駆動に優れたノートPCを探しているのなら、Swift Edge 16こそ最有力候補である。
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