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「遊んでみたい!」メタが狙うのはバーチャルな遊び場だ(本田雅一)

2023年10月04日 07時00分更新

完全ではなくとも「おもしろそう」と思えるなら

 もちろん完璧なんてことはありない。およそ50万円と予定されているApple Vision Proでさえ完璧ということはない。確かにVision Proは圧倒的な画質のパススルーや正確なオブジェクト形状や距離の計測、歪みの少ない映像表現など優れたところもあるが、それでもシースルーで観る現実の風景との乖離は小さくはない。

 8万円を切る価格のQuest 3の場合といえば、やはりまだ理想からはまだ遠い。

 とはいえ購入しやすい価格のゲーム機として普及させる戦略がうまくいけば、この製品を通じてそのおもしろさに気づく人は増えていくはずだ。ザッカーバーグの狙いは、まさにそこにあるのだろう。

 ザッカーバーグ氏は「未来を築くためには技術的に可能にするだけでは不十分だ。誰もが手ごろな価格で入手できるものとし、画期的なイノベーションに全員が触れるものにしなければならない。我々にとって、そのことは最先端の技術をさらに前進させることと同じくらい重要だ。なぜなら、それらに触れた人たちの斬新なエネルギーと創造性に、我々自身が学べるからだ」と基調講演を締めた。

 より多くの人に気づきを与え、未来を変える存在になれるのか。結論は数年後にしか出ないだろう。しかし、Quest 3にはそのきっかけを作り出すだけの実力はあると思う。

 

筆者紹介――本田雅一
 ジャーナリスト、コラムニスト。ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析する。

 

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