週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

2023年10月03日 08時00分更新

 友人と話をしていると「なんでわざわざPCパーツショップに行くの? 通販で良くね?」と言われることがあります。筆者の場合その答えはこうです。「ショップに展示されているデモ機が見たいから!」です。

■PCパーツ店に展示してあるデモ機は心が躍る

 もちろん実店舗に足を運ぶ理由はデモ機の展示だけではありません。特価品狙いだったり、親しい店員とPC談義に花を咲かせたり、新しい製品やゲームに触れてみたりとさまざまです。ですが、わざわざ実店舗に足を運ぶのはデモ機の存在がわりと大きいです。

 PCパーツショップのデモ機には大きく2種類があります。メーカーがサンプルを持ってきて展示するパターンと、店員自らが企画して展示するパターンです。前者は、発売前の製品の実物が見られますし、後者はオーバークロックなどわりと無茶をさせるデモが多いです。

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

発売前の製品を先行展示で見られるのは、マニアにとって至福なひととき

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

CPUクーラーの冷却技術を応用した世界に1つしかないドリンククーラー。こういうのが見られるのがPCパーツショップの醍醐味です

 たとえば、最上位のCPUでどこまでオーバークロックできるか試したり、最新CPUのヒートスプレッダを剥がしたり(いわゆる殻割り)と、普段ユーザーが試したくても試せないデモをわりと実行しています。そのデモを見ることがショップに行く楽しみのひとつになっているのは間違いありません。

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

CPUクーラーの周りにファンをびっしりと貼り付けたオーバークロックマシンは、見た目が強そうでワクワクします

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

殻割りしたCPUの展示では、普段見られないCPUの内部が見られるだけでなく、殻割りのコツを教えてもらえることもあります

 なかでも秋葉原で人気を博したのが、店員MによるMod PCです。ファミコンをPCケースにしてしまったり、ラジコンの中にPCを入れてしまったり、見た目が奇抜なPCは、大きな反響を呼びました。これらの展示を見て自作に興味を持った人もいることでしょう。

 タワー型ケースを買いに来たつもりが、M氏の展示を見て小型ケースとMini-ITXマザーを買ってしまった人がいるくらいです(私のことですが)。

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

M氏の代表作となるファミコンPC

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

ビデオカードを搭載するハイスペックなラジコンPC

 PCパーツショップは家電量販店と違い、そこでしか見られない展示機の設置にわりと積極的です。それが集客につながるからです。素晴らしいデモ機を展示していたショップというのは記憶が鮮明に残っています。「またあのショップに行ったらおもしろいデモが見られそうだから行こう」「あの店員さんがいるから行こう」という気になるものです。

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

saito_MODさんが製作した、ポンプなしで冷却液が循環する水冷PC。三日月のような形状のPC部をモーターで振り子のように動かして冷却液を循環させる斬新なシステム

 「この製品を買ったらこんなこともできるんだ!」という心が躍る展示に衝撃を受ければ、どんどん自作PCにのめり込むようになります。筆者も、ASRockの防滴性能を有するマザーボードに通電させたまま水をかけるデモにはド肝を抜かれました。PCに水は大敵だという常識を覆す製品で、この製品のおかげで水冷クーラーの水漏れに対する恐怖心が和らいだ記憶があります。

自作PCマニアが実店舗に足を運ぶのは粋なデモ機が見たいから

動作中のマザーボードに水をかけるデモ。実際にこれは週刊アスキーでも実験してイベントで展示しました

 PCパーツショップの実店舗には、自分の知らないPC活用法や思いもよらない視点を広げられる楽しさがあります。自作マニアが通販ではなく実店舗に行くのは、そういう知見を広げるためなのです。とはいえ、ショップで一番心が躍る瞬間は、数量限定の特価品が買えたときなんですけどね。

筆者紹介───ドリル北村

ドリル北村

 電動ドリルが大好きな自作PC担当兼アキバ担当編集。高校生の頃にパソコン通信に興味を持ち独学でPCを自作。ネットの普及とともにMMO RPGに夢中になるもビデオカードが出すファンの騒音に閉口。爆音ビデオカードを投げ捨て静音に傾倒するようになる。NUCに出会ってから小型PCの魅力に取りつかれ今に至る。「ファンレス」「小型」「静音」という言葉に弱い。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事