違いが出るのはWQHD以上となる「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」
今一番ホットな「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」でも検証しておこう。画質は“最高”とし、フレームレート上限は120fpsに設定。レイトレーシングに対応したゲームではあるが、ガレージ中の描画にしか適用されないため、レイトレーシングのテストは未実施となる。序盤のミッション「テスターAC撃破」で一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。
フルHDでは10個中6個のGPUがフレームレートの上限120fpsにほぼ張り付いたが、WQHDになるとRadeon勢は徐々に失速。全体的にGeForce系が強いという結果になった。WQHDという括りでいうとRX 7700 XTもRX 7800 XTも、少し画質を下げれば120fpsに行けるだろう。
平均フレームレートではRX 7800 XTの方が若干有利だが、最低フレームレートはRX 7700 XTとRX 7800 XTが並んでいる点は、最適化の不足(あるいはβドライバーの宿命)である可能性がある。
フルHD~WQHDまでのTBPはOverwatch 2に比べるとどのGPUも低い値を示しているが、これはフレームレートが120fpsで頭打ちになるのが大いに関係していると推察される。RX 7700 XTおよびRX 7800 XTのTBPはRX 7900 XTとRX 7600のちょうど中間あたりだが、RX 7700 XTやRX 7800 XTよりもフレームレートが出ていないRX 6800やRX 6700 XTの方がTBPが低い理由はよく分からない(フレームレートが頭打ちになりにくいGPUほど全力で回るのが普通だからだ)。
「Forza Horizon 5」ではCU数が多い方が有利
ここからはアップスケーラー(FSR 2/ DLSS)利用時のフレームレートも比較してゆく。「Forza Horizon 5」では画質は“エクトリーム”、アンチエイリアスはMSAA x2、もしくはFSR 2/ DLSS“バランス”とし、可能な場合はDLSS FGも有効化。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
価格の高いRX 7900 XTやRTX 4070 Tiの2強に続きRX 7800 XTがRX 6800 XTを僅差で抑えた。その一方でRX 7700 XTはRX 6700 XTに対しては約19%(WQHD時)程度上の平均フレームレートを出せているものの、RX 6800に対しては7%程度下回っている。
このゲームでは少々CUが少なくてもメモリーバスが太く、Infinity Cacheがより多いRX 6800が勝っていという点に注目したい。RX 7600がRX 6600 XTとほぼ差がなかったように、RDNA 3世代の中堅モデルはRDNA 2の同セグメントと大きな性能差が出ないこともあるのだ。
アップスケーラーを適用してもRX 7700 XTおよびRX 7800 XTが旧世代Radeonに対する立ち位置が変わる訳ではない。WQHDではRTX 40シリーズのDLSS FGがよく効くおかげでRTX 4070 TiやRTX 4070のフレームレートが派手に伸びているが、4Kまで解像度が上がると伸びしろが少なくなり、Radeon勢が追い抜けないまでも肉迫という状況になっている点に注目。
フレームレートと同様にTBPやワットパフォーマンスにおいてもアップスケーラー利用時のデータも掲載した。RX 7700 XTのTBPはRX 7800 XTよりも40~70W程度も低い点に注目。CUのより少ないRX 6700 XTと比較しても10W未満の増量でとどまる良い感じの値が出ている一方で、RX 7800 XTはメモリーコントローラーが多いせいか消費電力が増えており、RX 6800よりもだいぶ増えている。ただRX 6800 XTと比較するとかなり消費電力は減っているので、アーキテクチャーの進化は十分に感じられる、といったところか。
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