電動ドライバーは、ネジの締め外しを手伝ってくれる工具。キツク締める、手では回せないほど固いネジを外す、数十本のネジを次々高速に締めていくなど、人の力では不可能、もしくは難しい作業を楽々こなせるようになるため、DIYでは必須の工具といっていいでしょう。
しかし、ひと口に自動車といっても軽自動車からトラックまであるように、電動ドライバーにも用途によってさまざまな種類があります。今回試用したパナソニックの「充電ミニドライバー EZ1D11」(実売価格8600円前後)の長所は、ズバリ弱いこと。
電動時のトルクはたったの0.4N・mしかなく、似た形状の「電ドラボールプラス」の最大トルク2.0N・mと比べ、桁違いに弱いです。手でつかんで回転が止められるか試したところ、なんと、利き手ではない左手の指3本でも止められるほどでした。
当然、木ネジなどは全然入っていきませんから、木工はもちろん、組み立て家具を作るのにも向いていません。
では、使えない工具なのかといえばそんなことはなく、要は適材適所というだけ。ネジを締め付けすぎないので、機器を壊す心配がないわけです。そのため、小型のネジを多用するような、小型機器類の分解・組み立てで大活躍してくれます。ASCII.jp読者であれば、PC自作に向いた電動ドライバー、といわれればわかりやすいでしょう。
半押しでLEDライト、全押しで回転というのが基本
本体の全長は131mmしかなく、コンパクト。電動ドライバーというと、大掛かりな作業をするときに使う特別な工具という印象がありますが、これだけ小さいと常に手元に置いておき、気軽に普段使いできます。
形状は、ボールグリップを持つストレート型。ボールグリップは力を入れて回せるのがメリットで、手締めするときに役立ちます。このボールグリップ部分には凹凸が作られており、手の中で空回りしづらいようになっているのもいいところです。
ボタンは2つしかなく、ビットに近い方から正転、逆転となります。このボタンは2段押しになっており、半押しするとLEDライトが点灯し、全押しで回転するという仕組み。LEDライトはオフにできないので、明るい場所でも必ず点灯します。
なお、短いビットだとLEDライトで照らしても本体の影になるため、見づらいこともあるので注意。まあ、そもそも短いビットで届くネジならLEDライトなしでも見えるはずなので、とくに問題ないでしょう。暗い夜間や照明器具のない部屋での作業だと困りますが、そもそもその場合は、別途ライトを持っているでしょうしね。
他の多くの電動ドライバーと違う点は、ボタンから指を離すと惰性で回り続けず、すぐにピタッと回転が止まること。回転数が850rpmと高いので、惰性で回ってしまうと締めすぎてしまうこともあるだけに、ありがたい機能です。
(次ページ:ビットの脱着や充電方法は?)
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