10人に1人はオフでも会って遊んでいる
小中学生の6割にネッ友あり、ただしトラブル防止で嘘の個人情報を教える
小中学生の6割以上がネッ友あり
小中学生のネット利用率が上がっているが、ネット上の友達(ネッ友)はいるのか。いる場合は、どんな交流をしているのだろうか。小中学生を対象としたニフティキッズの「『ネッ友』についての調査レポート」(2023年7月)を見てみよう。
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ネッ友はいるか聞いたところ、全体の61%が「いる」と回答。小学生の55%、中学生の66%が「いる」と回答しており、ネッ友の数を聞いたところ、「10人以上」が40%で最多に。小中学生でもネッ友がいるのは当たり前であり、多くのネッ友と交流しているというわけだ。
ネッ友について知っていることは、「せいべつ」が92%で最多。「年れい」(83%)、「たん生日」(63%)、「住んでいるちいき」(52%)、「下の名前」(39%)など、交流上に必要なことを公開していることが多いようだ。
そのほか「LINEの連らく先」も27%おり、Instagramやゲーム上の名前などという回答もあるなど、SNSやゲームで知り合っているらしいことがわかる。ネッ友に教えている自分の情報も、ほぼ同様の結果だった。
ネッ友にはトラブル防止で嘘の個人情報を教える
一方で、ネッ友に実際の自分とは違う年齢や性別などを伝えたことがあるか聞いたところ、32%が「ある」と回答。どんな違った情報を伝えたか聞くと、「年れい」(71%)、「下の名前」(32%)、「せいべつ」(32%)、「住んでいるちいき」(29%)、「たん生日」(20%)など、様々な情報を偽って伝えていた。
理由は、相手が悪い人かもしれないとか、個人情報が漏れると怖いなど、トラブル防止のためが多いようだ。
なお、ネッ友としているのは、「オープンチャット上のみで話す」(58%)、「いっしょにゲームをする」(47%)など、LINEやゲームなどネット上の交流中心の子が多いが、「LINEやメールなどで連らくをとる」(40%)、「電話をする」(25%)、「じっさいに会って遊ぶ」(10%)など、個人情報を伝えたり、会ってしまっている子もいた。
今の小中学生は生まれた頃からSNSがあるSNSネイティブであり、ネッ友はいるけれど、匿名での交流に慣れていて、個人情報の公開も注意している子が多いのだ。一方で、ネッ友に個人情報をそのまま伝えたり、会ったりしてしまっている子もいる。
ネット上の交流が悪いわけではないが、自分だけでなく相手も素性を偽っていることが多く、なかには悪意を持った人が混じっていることもある。子どもがネッ友と交流する際には、個人情報を伝え過ぎない、会いに行かないなどの約束や見守りが重要となるだろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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