ホワイトPCのベースにも向く
コスト要求に応えつつもスタンダード+αのデザイン
次はデザイン。最近の自作向けPCケースは側板にアクリルやガラスのクリアパネルを採用するものが多く、そこから見えるマザーボードの見た目を気にされる方も多いだろう。スタンダードマザーボードは、おもにホーム用途やビジネス用途向けでシンプルなデザインのものが多いが、B760 Pro RS/D4はシンプルなりにもインパクトもあるデザインと言えるだろう。なお、シルバーにホワイトなので、最近流行りのホワイトPCのベースとしても検討できる。
PCBはブラックだが斜めにホワイトのプリントラインを引いている。ヒートシンクはシルバーで、こちらにはグレーのプリントラインを加えている。ヒートシンクの凹凸とこれらのラインが合わさることでかなり立体感が強調されている。ゴテゴテしたヒートシンクにド派手なゲーミングマザーボードには及ばないが、スタンダードマザーボードのシンプルすぎる見た目よりもゲーミング感が増している。
また、スタンダードマザーボードと言えばLEDなしが多いのだが、B760 Pro RS/D4には1箇所、Serial ATAポートなどがある右下のボード裏にLEDを備えている。LEDについては賛否あると思われるが、ASRock「Polychrome SYNC」ユーティリティを導入すればそこにON/OFF切り換えがある。
低価格だがDrMOS(SPS?)を採用
大型ヒートシンクで冷却も良好
スタンダードマザーボード、……と言うよりも価格相応になりがちなのがVRM。B760 Pro RS/D4は9フェーズで、フェーズ数自体はたしかに価格相応と見るのがよいだろう。ただし、安価なマザーボードのVRMでよく見るハイサイドとローサイドでMOSFETを2つ搭載することはせず、より高電流供給し、熱結果を改善する1つのMOSFETでフェーズを駆動させている。
PWMコントローラはRichtekの「RT3628AE」、MOSFETはメインにVishayの「SiC654」、アンコア用と見られる1フェーズはSinopowerの「SM4337」を2つ搭載していた。SiC654はDriver IC、ハイサイド・ローサイドMOSFETを統合したDrMOSで、データシートによれば温度センサーも搭載しておりIntegrated Power Stageをうたっている。
さて、肝心なのは9フェーズで足りるのかというところ。もちろんホーム、ビジネス用途は問題ないとして、ゲーミングはどうだろう。あるいはTDPが低いCPUは問題ないとして、TDPが高いCPUはどうだろう。そこで、Core i5ではあるが「K」付きのCore i5-13600Kを用いて組み、ゲームをプレイした際の動作を確認してみよう。
なお、温度については非接触温度計(0.5度刻み)でヒートシンクの表面温度を測る方法とした。いちおうHWiNFO 64のスクリーンショットも掲載するが、そこに「MOS」の欄がないためだ。先の通りMOSFETはセンサーを統合しているようなので値をとってきている可能性はある。
ただし、ヒートシンクの温度変化に相当するHWiNFO 64のセンサー欄が見つからない。センサーの値をとってきているにしても、おそらくオフセット値があるのだろうと推測する。
計測はアイドル時間を10分程度設け、電源ONではヒートシンク表面温度がもっとも低くなった36度時点でベンチマークを実行している。
まずはSTREET FIGHTER 6 ベンチマークツール。ベンチマーク終了直前のヒートシンク表面温度は42度だった。およそ6度上昇したことになる。
続いてBLUE PROTOCOL。まずまず長めのベンチマークだったが、終了直前のヒートシンク表面温度は39度だった。CPU負荷率が低めのタイトルということになるだろうか。3度という小さめの温度上昇だった。
続いてHorizon Zero Dawn。かなり長時間のベンチマークになる。こちらの終了直前のヒートシンク表面温度は42度。先のSTREET FIGHTER 6 ベンチマークツールと同じくらいで、おそらくゲームベンチマークにおいては42度くらいが今回の最大温度ということになるだろう。
最後にTom Clancy's Rainbow Six Siege。終了直前のヒートシンク表面温度は39.5度だった。古いビデオカードを組み合わせているが、フレームレートはかなり出ている。このような場合、フレームレートに応じてCPU負荷が高まるものだが、39.5度程度に収まったというのはよい結果だ。
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