サムスン電子は26日、韓国・ソウルで「Galaxy Unpacked」を開催した。例年、夏に開催される同イベントはアメリカ・ニューヨークで行なわれてきたが、今年はサムスンの母国である韓国での開催となった。
夏のGalaxy Unpackedではフォルダブルディスプレーを搭載する縦折り式、横折り式のスマートフォン「Galaxy Z」シリーズが発表されてきたが、今回はGalaxyシリーズのエコシステムを拡充する製品を含めた4つのラインナップが発表された。
イベントにはサムスン電子 DX部門 Mobile eXperience事業部長兼社長のT.M.Roh氏が登壇した。サムスンは一貫して「Connecting people with technology」をテーマに、新しい技術で人々をつなぐことのできる製品を開発してきており、2019年にまったく新しい概念のモデルとして折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」を発表。それ以降、毎年新モデルを投入しており、現時点で世界の1億ユーザー以上に利用者が広がったとのこと。今や「Galaxy」は折りたたみスマートフォンとして最も好まれるブランドにもなっている。
サムスンは絶え間ないイノベーションの追求を行なっており、折りたたみスマートフォンはマルチウィンドウやペンによる生産性の向上など、無限大の可能性を持った製品になった。今回のGalaxy Unpackedではスタイルとパフォーマンスを両立させた上に、セキュリティーを向上させ安心感を与えるとともに、複数の製品を相互に接続して利用できるGalaxyエコシステムを拡充する4つの製品を発表すると宣言した。
【Galaxy Flip5】自分色に染まる新しい折りたたみモデル
Galaxy Flip5は縦折り式のスマートフォン。4世代目となる本モデルでは、新しく大型のカバーディスプレーが採用された。様々なウィジェットを使用できるだけではなく、自分の写真を表示したり、閉じたままで自分の表情を見ながら自撮りできるなど、個人のパーソナリティーを表に出せる新世代のスマートフォンに生まれ変わった。
3.4型のカバーディスプレーは「Flex Window」と呼ばれ、本体を閉じたままでもカレンダーやフィットネス記録、天気予報、通話、メッセージの通知などを表示することができる。スマートフォンのいわば背面に2つ目のディスプレーを搭載したような使い方ができるわけだ。ホーム画面は本体を開いたときのメインディスプレーとは別に設定できるので、お気に入りの1枚を表示しておける。折りたたむと手のひらにすっぽりと納まる小さなボディーの表面に表示された写真は、他の人から大きな注目を浴びるだろう。
モバイルペイメントなど、急いでスマートフォンを使わなくてはならないときも便利だ。本体を閉じたままSamsung Walletのウィジェットを起動すれば、支払い用のQRコード、ショッピングなどのクーポン、飛行機や鉄道のチケット、ネットカフェなどの会員証を表示できる。手のひらに握りしめたまま表示できるので使い勝手は良い。
メインカメラはチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Gen 2を搭載したことにより、AI処理性能が大きく強化された。また、夜間撮影性能も高められている。本体を閉じたままでメインカメラを使うことができるため、自分撮りもさらに高画質で撮影できるわけだ。複数人数で撮影するときは、人の姿をAIが認識して自動的に広角・超広角を切り換えしてくれる。シーンに応じて最高の写真を閉じたまま撮影できるのだ。
Galaxy Watchと組み合わせれば、時計のフェイスディスプレーからGalaxy Z Flip5のカメラ操作もできる。指先タッチやスワイプ・ピンチ操作でズーム調整、撮影モード切替、そして撮影が可能だ。また、Galaxy Z Flip5を半開きにすれば机の上などに置くことができるため、三脚いらずでリモート撮影もできる。Gaalxyエコシステムによる連携がしっかりと考えられている。
ヒンジ角度を自由な位置に止めて使用できる「Flex Mode」は、アウトディスプレーを搭載したことで新しい使い方もできるようになった。Flex Windowに写真や情報を表示し、本体を曲げて立てておけばフォトスタンドのようにも使える。ビデオ通話などにも活用できるだろう。
このFlex Modeを実現する自在な位置で止められるヒンジは大きな改良が加わった。前モデルまではヒンジを閉じると隙間があったが、Galaxy Z Flip5では隙間なく閉じることができるようになったのだ。ディスプレーを曲げたときに、ヒンジの内側に伸びしろを収納する構造の採用でこの美しいボディーが実現した。イノベーションとクラフトマンシップを両立させた、次世代のフォルダブルテクノロジーを採用している。
ケースを使ったパーソナライズも一新される。NFC内蔵のパネルを透明ケースに装着すると、そのFlex Windowにパネルにちなんだ壁紙が自動ダウンロードできるのだ。その日の気分に応じてGalaxy Z Flip5の外観をカスタマイズできるわけだ。パネルはキャラクター系のものなどが販売される予定。「パネル交換で外ディスプレーもカスタム」という楽しい使い方が提唱される。
このようにGalaxy Z Flip5はスマートフォンという枠を超え、「自分を表現し日々の生活を楽しめる」モバイルツールへと大きく進化した。もちろんスマートフォンとしての基本性能は高い。折りたたみ+Flex Windowの組み合わせはスマートフォンそのものを変える存在になるだろう。
Galaxy Z Flip5のグローバルでの発売は8月11日から。本体カラーはクリーム、ラベンダー、ミント、グラファイトの4色。一部の国ではオンライン限定カラーも販売される。価格は999ドル(約13万9000円)からだ。
【Galaxy Z Fold5】 新ヒンジ採用で生産性を高めたモデル
Galaxy Z Fold5はサムスン初の折りたたみモデルから数えて5世代目となる、横折り式のスマートフォンだ。大画面を片手で持ち運ぶことを可能とし、マルチウィンドウの使用やSペンによる手書き入力など、PCのような生産性をスマートフォンでも実現している。セキュリティーも高めており、ビジネスユースにもしっかりと対応する。
閉じた状態では、片手で持てるスリムなスマートフォンとして使用できる。縦ワイド画面なのでSNSのタイムラインも見やすい。本体重量は一般的なスマートフォンよりやや重いものの、細身のボディーで片手持ちもラクにできるのだ。
本体を開けば7.6型の大きなディスプレーが表示される。動画や写真だけではなくオフィス文書の閲覧にも便利な大きさだ。さらにアプリケーションを最大3つまで立ち上げての分割表示も可能。マルチタスクをラクにこなすことができる。
ヒンジ部分は自由な位置で止められるFlex Modeに対応。特定のアプリはディスプレーを折り曲げたときに、上半分をアプリ表示、下半分を操作パネルと2分割表示することもできる。上半分で動画を再生しながら、下半分で細かいコントロールをすることも可能だ。2つのアプリを上側、下側それぞれに表示し、ビデオ会議をしながらメモを手書きで取る、といった使い方も実用的だ。
手書き入力用の専用スタイラス「Sペン」は筆圧対応で文字の入力だけではなく、イラストなどを書くこともできる。写真のレタッチ操作に使うなど指先では難しい細かい作業にも向いている。なお、Sペンは本体には収納されず、別売となる。
Sペンを収納できるケースも販売される。Sペンは新たに細身のデザインとなり、ケース裏側のくぼみにはめ込むことで持ち運びが可能で、ケースそのものも前モデルよりも薄くなった。
Galaxy Z Flip5同様にGalaxy Z Fold5のヒンジ部分も改良され、隙間なく本体を閉じることが可能になった。前モデルより2.4mmも薄くなったことでスーツの内ポケットやジーンズのうしろのポケットにも入れやすくなった。
Galaxy Z Fold5は8月11日からグローバルで発売となる。ストレージ容量は256GB、512GBに加え1GBも提供される。価格は1799ドル(約25万円)から。
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