隙間無く閉じられるようになった「Galaxy Z Fold5」
13.4mmと薄くなり、より万人に勧められる端末に
7月26日にソウルで開催の「Galaxy Unpaked 2023」では「Galaxy Z Fold5」も発表。Galaxy向けに特化した専用品「Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxy」を搭載。メモリーは12GB、ストレージは256GBまたは512GB。本体は横開き型で、ディスプレーサイズは閉じたときが6.2型/2316×904ドット、開いたときが7.2型/2176×1812ドット。
Galaxy Z Fold5の本体サイズは閉じたときが67.1×154.9×13.4mm、開いたときが129.9×154.9×6.1mm、重量は253g。前モデルのGalaxy Z Fold4と比べ、厚みは2.4mm、重量は10g軽くなった。
このGalaxy Z Fold5の最大の進化はヒンジ部分の隙間が完全に無くなった点だ。Galaxy Z Fold4まではヒンジ部分を折り曲げると、ヒンジ側に1mm弱の隙間があったが、Galaxy Z Fold5では隙間の無い新たなフレキシブルディスプレーとヒンジ構造を採用している。そのため閉じたときはヒンジ側と反対側が同じ厚みになる。
本体をヒンジ側から見ると、この13.4mmは一般的なスマートフォンと比べれば、もちろん厚みはあるものの、本体を開けば大画面を使えるメリットは大きい。より万人に勧められる折りたたみスマートフォンに進化したと感じられる。
ヒンジの反対側から見ると、カメラのでっぱりの度合いがよくわかる。台座の上に3つのレンズがもう1段階飛び出ている構造だ。本体側面のSIMカードトレイ、ボリュームボタン、電源ボタン(指紋認証センサーを兼ねる)は前モデルと同様の配置だ。
ヒンジ部分は自由な角度で止めることのできる「Flex Mode」に対応する。隙間なく閉じることのできる構造になったものの、引き続きIPX8の防水に対応し、ヒンジ部分から水が浸入する恐れはない。さらにヒンジ内側のディスプレーとの隙間は極力なくしており、ゴミなどの異物侵入も防いでいる。
開いた状態でのスタイルは基本的に前モデルと同様
ディスプレー部分の「筋」はかなり目立たなくなった
本体を開くと縦方向にやや長いディスプレー形状となる。Android 13を搭載し、サムスンのユーザーインターフェース「One UI 5.1.1」を採用している。マルチウィンドウなど大型ディスプレー向けの使いやすい機能なども利用できる。なおディスプレー解像度はGalaxy Z Fold4と変わっていない(1812×2176)。メインディスプレーのフロントカメラもUDC(アンダーディスプレーカメラ)で、こちらも40万画素と同等のままだ。
開いた状態で背面側を見ると、外ディスプレーの表示は消灯されている。なお、カメラを起動して「カバー画面プレビューON」を選択すると、外ディスプレーにカメラの画像が写り、被写体となる人が自分の姿を見ながらシャッターを押してもらうこともできる。3つあるカメラは広角5000万画素、超広角1200万画素、3倍望遠1000万画素の組み合わせだ。
開いたときの本体の厚みはGalaxy Z Fold4が6.3mmで、Galaxy Z Fold5はそれよりも0.2mm薄くなった。わずかな差だが本体重量が10g軽量化されたことと相まって、確かに薄くなったことが実感できる。
さて、これまでのGalaxy Z Foldシリーズはディスプレーのヒンジ部分の「筋」がかなり目立っていた。Galaxy Z Fold5ではディスプレーの曲がる部分の「伸びしろ」をヒンジの内側に逃がす、ティアドロップ型の構造となっている。そのためディスプレーを斜め方向から見ると、方向によってはディスプレーの逃げる部分が筋となって見える。
とは言え、前モデルまでのディスプレーのヒンジを避けた部分を本体側にしっかり固定するために、深い筋が見えていたものに比べてみれば目立たなくなっている。下の写真はかなり光の加減を調整してわざわざ筋が見えるように撮影したものだ。
本体のカラバリは「Icy Blue」「Cream」「Phantom Black」の3色。前モデルは重厚感あるシックなカラバリだったが、Galaxy Z Fold5では明るくカジュアル感のある色展開となる。なおSamsung.comオリジナルのオンライン限定カラーとして「Gray Blue」も提供される。着せ替えパネルでカスタマイズ可能なサムスンの家電「BESPOKE」シリーズにありそうな、深みのある青い色合いだ。
それではGalaxy Z Fold5のヒンジ部分がどう変わったのか、Galaxy Z Fold4と閉じた状態で比較した。Galaxy Z Fold4のヒンジ部分は隙間があるのに対し、Galaxy Z Fold5は隙間がまったく無いことがよくわかるだろう。
開いた状態で比較すると、外周の大きさはほぼ変わっていないが、本体の厚みはGalaxy Z Fold5がわずかに薄くなっている。
Galaxy Z Fold5のヒンジパーツも見ることができた。ヒンジの曲がる部分が内側にくぼんでいるように見えるが、この部分にディスプレーを曲げたときの伸びしろの部分が収納される構造になっているわけだ。
新しいSペンはフラットで細い形状に
専用ケースとの組み合わせはかなり出っ張りが抑えられた
ケースも新しいデザインのものが用意された。Galaxy Z Fold5はメインディスプレーに専用スタイラス「Sペン」を使って手書きができるが、Sペンは本体に収納できない。そこで背面部分にSペンを収納できるケースがこれまで販売されてきた。しかしペン収納部分が出っ張る形状だった。Galaxy Z Fold5のSペン収納ケースは、Sペンをフラットで細い形状にしたことにより、背面からの出っ張りを極力抑えた形状となっている。
Galaxy Z Fold4のSペン収納ケースと比較した。Galaxy Z Fold4のケースはペン収納部分を脱着式としており、引き出すとスタンドになるパーツと交換すると背面はフラットになった。しかしSペンを常用する場合は下写真の形状で使うことになり、常に背面が出っ張った状態のまま持ち運ぶ必要があったのだ。
Sペンの大きさも比較した。Galaxy Z Fold4のSペンは太さがペンや鉛筆など実際の筆記具に近く、書きやすい。Galaxy Z Fold5のケース収納Sペンはだいぶ細くなり、Galaxy S23 Ultra本体に収納されるSペンを長くしたような形状になった。なおSペンは機種に限らず利用できるので、Galaxy Z Fold4ユーザーは現在使っているSペンをGalaxy Z Fold5でも利用できる。サイズがより長くGalaxy S23 Ultraと共用できる「Sペン Pro」も引き続き使用可能だ。
ケースは他にも落下防止の取っ手のついたものもあるなど、複数が用意される。高価な製品だけに、スリムかつスタイリッシュなケースで本体は保護したいはず。サードパーティーからもさまざまなケースが登場するだろう。
Galaxy Z Fold5 | Galaxy Z Fold4(国内版) | |
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ディスプレー | 7.6型有機EL(21.6:18) 120Hz対応 6.2型有機EL(23.1:9) |
7.6型有機EL(21.6:18) 120Hz対応 6.2型有機EL(23.1:9) |
画面解像度 | 1812×2176 904×2316 |
1812×2176 904×2316 |
サイズ | 129.9×154.9×6.1mm 67.1×154.9×13.4mm |
130.1×155.1×6.3mm 67.1×155.1×14.2~15.8mm |
重量 | 253g | 263g |
CPU | Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy |
Snapdragon 8+ Gen 1 |
内蔵メモリー | 12GB | 12GB |
内蔵ストレージ | 256/512GB/1TB | 256GB |
外部ストレージ | ― | ― |
OS | Android 13 | Android 12→13 |
無線LAN | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 |
カメラ画素数 | 50メガ+12メガ(超広角) +10メガ(光学3倍) イン10メガ+4メガ(UDC) |
50メガ+12メガ(超広角) +10メガ(光学3倍) イン10メガ+4メガ(UDC) |
バッテリー容量 | 4400mAh(25W対応) | 4400mAh(25W対応) |
Qi | ○ | ○ |
防水/防塵 | ○/×(IPX8) | ○/×(IPX8) |
生体認証 | ○(側面指紋、顔) | ○(側面指紋、顔) |
USB端子 | Type-C | Type-C |
イヤホン端子 | × | × |
カラバリ | アイシーブルー、ファントムブラック、クリーム(限定モデル)グレイ、ブルー | グレイグリーン |
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