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山根博士のグロスマレビュー

「Galaxy Z Fold4」はAndroid 12Lの搭載で使い勝手が大きく向上した

2022年09月06日 12時00分更新

Galaxy Z Fold4

 サムスン電子が8月10日に発表した、折りたたみディスプレーを搭載したスマートフォンの最新モデル「Galaxy Z Fold4」のグローバル版を操作する機会に恵まれたので、さっそくレビューした。

折りたたみスマホの完成形に近づいた
「Galaxy Z Fold4」

 Galaxy Z Fold4は閉じると6.2型のスマートフォンとして使え、開けば7.6型の小型タブレットに変形する。1台で2つのデバイスを統合したサムスンの「Fold」シリーズも、今回で実に4機種目となる。昨年発売された「Galaxy Z Fold3 5G」を改良したモデルとなっており、折りたたみスマートフォンの完成形にまた一歩近づいた製品と感じられた。

 Galaxy Z Fold4のサイズは、閉じたときが縦155.1×横67.1×厚み14.2~15.8mmとなる。6.2型のカバーディスプレーは解像度が2316×904ドット、アスペクト比は23.1:9だ。前モデルは同じサイズながら解像度は2268×832ドット、25:9だったので、より一般的なスマートフォンの画面サイズに近づいた。本体背面にはトリプルカメラを搭載。メインカメラは5000万画素と高画質になり、1200万画素の超広角と1000万画素の光学3倍望遠を搭載する。背面はマット仕上げで指紋の跡は残りにくい。

Galaxy Z Fold4のフロントと背面

 本体形状は前モデルとほとんど変わっていないが、ヒンジ部分の構造を変えたことでヒンジはより薄くなっている。閉じたときにすき間ができる構造は変わっておらず、この構造によりヒンジ側が若干厚い。本体下部側のUSB Type-C端子やスピーカーなどはオーソドックスなデザインだ。

本体を下側から見る。ヒンジ部分は薄くなった

 なお、側面の金属フレーム部分は前モデルが艶消しだったがGalaxy Z Fold4では一転して光沢ある仕上げとなっている。そのため落ち着いた雰囲気だった前モデルに比べると本体の外観の印象は多少異なるものとなった。

本体を上部側から見る。側面は光沢ある仕上げ

 本体を開くと7.6型(2176×1812ドット)のディスプレーが現れる。前モデルが2208×1768ドットだったので、より正方形に近い形となった。開いたときのサイズは約155.1×130.1×6.3mm。前モデルが約158.2×128.1×6.4mmだったので、縦方向は少し短くなったが横幅は若干増えている。だが開いたときに手に持ってみると、この方がむしろ持ちやすいと感じた。また、重量は263gで前モデルの271gより軽量になった。

本体を開くとスクエアな7.2型ディスプレーが現れる

 背面側も見てみよう。カバーディスプレーはカメラを使うとき、相手側にプレビューを見てもらうサブディスプレーとしても使用できる。

開いた本体を裏側から見る

 閉じた状態で手に持ってみると、厚みはあるものの横幅が狭いため持ちやすい。縦方向に長いものの片手での操作もできないことはない大きさだ。指紋認証センサーは側面の電源ボタンに搭載されているため、右手で持った時は親指でロック解除しやすい。なお、生体認証は顔認証にも対応している。

70mmを切る横幅なので片手でも持ちやすい

 本体を開いても片手でギリギリ持てる大きさだ。6.3mmと薄いため本体を左右からわし掴みにしなくとも、片側だけを保持して持つことも難しくない。開いたときの大画面を使いやすいように側面にアプリアイコンのショートカットを表示する機能も搭載されているが、Galaxy Z Fold4は大画面に特化したUIを搭載するAndroid 12Lのため、複数アプリの利用がより使いやすくなった。

開いた状態でも片手で十分持てる。画面側面にはツールバーを表示可能

 Android 12LのUIでは画面下部分に小型のアプリアイコンが配置される。ホームボタンと同じ並びにアイコンが並ぶため邪魔にならず、また本体を保持しながら親指でアプリをタッチするなど操作性も悪くない。

Android 12Lでは下部に小さくアプリアイコンが配置される

 アプリアイコンをタップすればワンタッチでアプリを起動できるだけではなく、アイコンを画面の右か左にドラッグさせればマルチウィンドウとしてアプリを開くこともできる。Galaxy Z Fold4なら2つのアプリを表示させ、あたかも2台のスマートフォンを並べたような使い方もできるのだ。

アプリアイコンをドラッグ

簡単にマルチウィンドウにできる

 マルチウィンドウは最大3つの画面を並べて表示できる。それぞれのウインドウは中央から左右にドラッグすることで、片側を全体の2/3、もう片側を1/3サイズで表示することもできる。

3つのウィンドウを同時に表示、左右のサイズ変更もできる

 折りたたみスマートフォンは中国メーカーからも様々な製品が出ているが、Galaxy Z Fold4は画面を途中まで開いた状態で使うことのできる「フレックスモード」が特徴だ。たとえば机の上にGalaxy Z Fold4を置いて画面を折り曲げ、好きな位置で固定して動画を見たりビデオ会議に参加する、なんてこともできる。

L字型に本体を追って使えるフレックスモード

 フレックスモードは対応アプリでは表示画面が自動的に変わる。たとえばカメラなら7.6型ディスプレーをプレビュー画面として写真や動画を撮れる。大きいプレビューを見ながら撮影できるので細かい部分を確認しながら撮ることができるわけだ。

本体を開いてカメラを起動

 この状態でGalaxy Z Fold4のディスプレーを曲げると、上半分にカメラプレビュー、下半分にカメラのUIや写真のプレビューが表示される。写真を確認しながら撮影できるだけではなく、三脚を使わずに撮影ができるというわけだ。このフレックスモードはYouTubeやNetflixなど他のアプリでも利用可能。Galaxy Z Fold4の大きい画面をさらに有効利用できるだろう。

ディスプレーを曲げるとアプリが上下に分割表示される

 ところでGalaxy Z Fold4の本体を開いて画面表示を消すと、中央に折れ目が入っていることがわかる。この折れ目が気になる人もいるだろうが、実際に画面に何かを表示すると目立たない。折れ目に関しては実際にショップなどで実機を使ってみるといいだろう。

画面を消灯すると折れ目が見える

画面表示中は折れ目は気にならない

 Galaxy Z Fold4は折りたたみスマートフォンでありながらもペン入力に対応している。専用のスタイラス「Sペン」が利用できるのだ。SペンはこれまでGalaxy Noteシリーズや「Galaxy S22 Ultra」に内蔵されているが、Galaxy Z Fold4およびGalaxy Z Fold3 5Gは専用の別のSペンが必要だ。SペンはGalaxy Z Fold4/Fold3 5G専用のものと、従来のGalaxy Noteシリーズと共用できる「Sペン Pro」が利用できる。Sペン Proにはスイッチがあり、従来モードとGalaxy Z Foldモードの切り替えが可能だ。

Sペンによる手書きも可能。長い方が共用タイプの「Sペン Pro」

 Sペンを使った手書きは快適だ。ペンの遅延速度(レイテンシー)も低いため、細かい書き込みも十分できる。本体内蔵のメモアプリ「Samsung Note(日本版はGalaxy Note)」では、手書きした文字をワンタッチでテキスト化できる。Galaxy Z Fold4はディスプレーサイズが大きいため文字やイラストなどを描きやすく、ビジネスのみならずクリエイティブツールとしても十分に実用的だ。

Sペンで文字を書いてテキスト化

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