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パナソニックは「ChatGPT」をこんな仕事に使っている

2023年07月27日 07時00分更新

重要データは対象外、「まだ人の仕事を奪えるほど賢くない」

──社内データの扱いについてはいろいろな内部規定もあると思うのですが、今後さらにクリティカルな社内データを扱っていく可能性もあるのでしょうか?

 そのあたりは企業ごとにいろんな考え方があると思います。弊社でいえば社内データの区分が3つあって、その最もライトなものはいずれ入れられるようにしたいと思っていますが、やはり個人情報だったり、重要な財務情報だったりというのは難しいと思います。情報の権限についても基本的には今の社内システムに用いているルールと同じになると思っています。

──そのためにたとえば、自社独自の大規模言語モデルを構築していくといった可能性はないのでしょうか?

 今のところそれは考えていません。そもそも今はOpenAIを使っていますが、来年には使っていないかもしれない。1年後どうなっているかわからないくらい進化のスピードの速いものなので。もしオンプレで作ってしまったら、一生それと付き合わないといけなくなってしまう。そこは柔軟に対応できる体制でいたいと思っています。

──最後に、ChatGPTの導入からこれまで、社内で反対の声というか「仕事が奪われる」といったような、声はなかったですか?

 そういう反応は、少なくても私の耳には入ってないですね。あくまで個人的な印象ですが、まだ人の仕事を奪えるほど賢くない。そもそも仕事って、コミュニケーションとか調整がないと、前に進まないじゃないですか。それはAIはやってくれない。できるのはあくまでもサポートくらいだし、もしそれで本当に仕事が減ったら、その分ほかのことに時間を割いて、新たな価値を生み出せばいいのだと思います。

 

筆者紹介――太田百合子
 テックライター。身近なデジタル製品とそれら通じて利用できるサービス、アプリケーション、および関連ビジネスを中心に取材・執筆活動を続けている。

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