富士通と日本電気(NEC)とNEDOは7月12日、ポスト5Gに向けた基地局装置間の相互接続性検証の大幅な効率化に成功したことを発表した。
富士通とNECは共同で、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、ポスト5Gに対応した基地局装置(O-RAN仕様準拠)間の相互接続性を検証する技術の研究開発に取り組んでいる。両社は、O-RANフロントホールでのさまざまなベンダーの基地局装置間の相互接続性の検証作業を自動化する技術を共同で開発し、各国や地域のオペレーターが実際に使用する接続条件に対応するための機能を拡張した。
本技術には、基地局装置間に接続してフロントホールプロトコルを検証するFHA(FrontHaul Analyzer)、無線子局(RU)を単体で試験するP-DU(Pseudo-DU)、検証作業の各工程を自動化するテストシナリオ抽出ツール、テストパラメーター変更ツール、検証結果判定ツールなどの独自技術が含まれる。
本技術を両社の英国および米国の拠点において、欧州および北米のオペレーターの実際の商用環境を想定した動作条件と、異なるベンダーの基地局装置の複数の組み合わせでO-RANフロントホールにおける相互接続性を検証した。その結果、最適なテストシナリオやパラメーターの生成から検証結果の良否判定までの一連の流れを自動化することにより、従来の手動による検証作業に比べて、海外のオペレーターの商用環境を想定した異なるベンダーの基地局装置間における相互接続性の検証時間を30%以上短縮することに成功した。
本技術を適用することにより、相互接続性検証の時間を短縮することが可能となり、オペレーターが、異なるベンダーのO-RAN仕様に準拠した基地局装置を組み合わせたシステムを導入するまでの時間を短縮できるという。現在普及している5Gネットワークにおけるオープン化の進展に加えて、将来のポスト5Gの展開を見据えた新たなネットワーク構築にも貢献できるとしている。
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