PCゲームプラットフォーム「Steam」を運営するValveは、生成AIによって作成されたアートアセット(キャラクター、背景、アイテム、UIデザインなどのビジュアル要素全般)の内、学習に使われたソースの権利がクリアでないものが含まれている可能性のあるゲームの販売を禁止する方向であることがわかった。
ポイントはトレーニングに使用されたデータの権利処理
PSA: Valve has been quietly banning newly submitted Steam games using AI-created art assets - if submitters can't prove they have rights for the assets used to train the algorithms: https://t.co/WhWpJpaFjlpic.twitter.com/5KhzJESYxk
— Simon Carless (@simoncarless) June 29, 2023
本件は元GDC事務局長、現GameDiscoverCo代表であるSimon Carless氏による6月29日のツイートをきっかけに知られるようになった。
「ValveはAIが生成したアートアセットを使用しているにも関わらず、それを訓練するために使用した素材の権利を持っていることを開発者が証明できない場合、密かにBANしている」と記されたツイートには、実際にValveから拒否されたメールを公開しているRedditの記事へのリンクが含まれていた。
公開されたメールによると、ValveはAIによって生成された全てのアートアセットを禁止しているわけではない。つまりAdobe Fireflyのようにモデルのトレーニングに使われたデータの権利が明確になっているものであれば認められるようだ。
生成AIがトレーニングに使用するデータの権利処理については判例も少なく未だ不透明な状態だが、このまま急速な進歩が続けば数年後にはAIが描いたものと人間が描いたものを見分けることが技術的に不可能になるかもしれない。プラットフォーム側もしばらくの間はこのような試行錯誤が続く見通しだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります