アップスケーラー使用時の消費電力に注目
続いては名作「The Witcher 3: Wild Hunt」で試す。このゲームは昨年末の“Next-Gen Update”でレイトレーシングを含めたグラフィック周りのテコ入れがあり、レイトレーシングが盛り込まれた。現在ではDLSS/FSR 2はもちろん、インテルのXeSSにも対応。もちろんDLSS FGにも対応している。
今回のテストでは画質“RTウルトラ”、HairWorksはオフとした。アンチエイリアスは“TAAU”もしくはDLSS/FSR 2を利用している。ゲーム中の街“ノヴィグラド”の人通りの多い箇所を移動した際のフレームレートを計測した。
ネイティブ解像度でのレンダリングでは、どのGPUも動き回ることはできるものの、フレームレートが低くもったりとした映像しか得られない。しかし、DLSSとDLSS FGを利用することで、RTX 4060であっても平均60fpsを大きく上回ることができる。
惜しくも最低フレームレートは60fpsを若干下回ったが、The Witcher 3: Wild Huntの世界観を最高の映像美で巡ることは十分可能になっている。ただRTX 4060の予算に+1万円することでRTX 4060 Ti(8GB)が射程に入り、そちらでは60fps以上が常にキープできると考えてしまうと、RTX 4060を我慢してちょっと上に行こうかと思わせてしまう。
この“足らないから上行こう感”は意図的なのか否かは不明だが、これがRTX 4060の輝きを曇らせてしまっている一因ではないかと筆者は感じている。
ゲーム中のTBPやワットパフォーマンスの傾向はこれまでのゲームと同じである。RTX 4060はDLSS FGを利用することで、旧世代のRTX 3060や2060をはるかに超えるフレームレートを、19〜58W程度低い電力で出すことができる。TGP 115WのGPUとしては驚異的なワットパフォーマンスといえる。
「Hogwarts Legacy」では画質はレイトレーシングも含めすべて最高、アンチエイリアスは“TAA高”もしくはDLSS/FSR 2を利用した(厳密に言うとアップスケーラー使用時はアンチエイリアス設定が無効化される)。天候の影響を避けるため主にホグワーツ城内を移動した際のフレームレートを計測している。
VRAMが極端に足らなくなるとテクスチャーが“溶ける”ようになる設計のゲームだが(フレームレートを優先させるための回避策でもある)、フルHDであればギリギリ溶けずに済む。ただ、マップ内部の繋ぎ目(扉など)を通過するとフレームレートが落ち込みやすい。平均フレームレートで言えばRTX 4060とRX 7600が割と良い感じで張り合っているが、RTX 3060も平均60fpsオーバーのかなり良い所にいる。
DLSS/FSR 2を使うことでさらにフレームレートが伸びるが、DLSS FGに対応したRTX 4060はRTX 3060やRX 7600を大きく引き離した。まだフレームレートが大きく下がる瞬間があるものの、60fpsキープは達成しており、ゲームの快適さ向上に大きく寄与している。
DLSS利用時にRTX 4060 Ti(8GB)やRTX 4060のTBPが下がるのはこれまでの観測通りだが、FSR 2を利用するRX 7600の場合、ほとんど変わっていない。Cyberpunk 2077やDiablo IVなどでは逆に増えている場面も見られた。
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