こんにちは! 画像生成AIを研究しているじょじお(ネコ大好きおじさん)です。
6月30日、人気映画インディ・ジョーンズの最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が日米同時公開となりましたね。
インディ・ジョーンズといえば、考古学者でありながら探検家でもあるハリソン・フォード演じる主人公が、世界のお宝や謎に迫るべく冒険を繰り広げるアクションアドベンチャーです。
そして、シリーズの特徴である「神秘的な超自然」や「宗教的アーティファクト」といったオカルト要素は、視聴者の想像力とスリルを刺激する魅力的な要素になっているかと思います。
そこでAIイラスト研究会の今回のテーマは、インディジョーンズ新作公開に ちなみ「世界中のオカルトチックな伝説」をAIイラスト生成ツール「Midjourney」で再現していこうという企画です。
AIイラストで冒険の旅に出てみましょう!
■ニャンディ・ジョーンズ教授のプロンプト
a cat with huge backpack in Coal mine in Egyptian desert, beige and light brown, Anthropomorphic, photo --style raw --ar 1:1 --v 5.2
エジプトの砂漠の炭鉱で大きなリュックを背負った猫、ベージュとライトブラウン、擬人化、写真風
最初は本稿の主人公であるニャンディ・ジョーンズ教授です。筆者が猫好きなもので猫を擬人化した画像生成サンプルは多いのですが、今回は冒険家スタイルです。
もうひとつ、ニャンディ教授の生成サンプルとして、トップ画像に使用した映画ポスター風の画像のプロンプトもご紹介しておきましょう。
■80年代映画ポスターのプロンプト
Movie poster of an 80s illustration of Cat as Indiana Jones --ar 3:4
インディ・ジョーンズに扮した猫の80年代のイラストの映画ポスター
こちらのプロンプトで注目してもらいたいのは、「Cat as Indiana Jones」という部分です。
「〇〇 as □□」という表現は、「□□に扮する〇〇」、言い換えると「□□のコスプレをした〇〇」という、上手く使うと色々なシーンに使える表現なので、覚えておくと便利です。
注意点としては、「映画ポスター」と指定をすると、Midjourneyは高確率でロゴっぽい文字を入れようとしてきますので、これを避けたい場合には、ネガティブプロンプトとして、「--no text」というパラメーターを付け足しておくといいでしょう。
ここでは、たまたま文字が入らなかったこのプロンプトで生成したニャンディのイラストの下部に、同様のプロンプトで「80年代トレジャーハンター映画のポスター」というプロンプトで生成したお宝っぽいイラスト部分をPhotoshopで合成し、最終的にロゴまでPhotoshopで作って編集しています。
UFOを生成してみよう
■写実的に調整されたモデルを使ったリアルなUFO
さて、最初の冒険のテーマは「UFO(未確認飛行物体)」です。まずはシンプルなプロンプトで様子をみてみましょう。
■リアルなUFOのプロンプト
UFO, photo --style raw --ar 1:1 --v 5.2
UFO、写実的
とてもシンプルなプロンプトですが、リアルなUFOの写真のようなイラストが生成できました。
最近アメリカでは、再びUFOの目撃情報が頻繁に報告されるようになってきていますが、こうしたリアルな画像をシロートでも生成できてしまう現代だと、昔感じたうさん臭さとは別に、さらに真偽不明の情報と受け取らざるを得なくなってしまいますよね。
ここで使用している「--style raw」というパラメーターは、写実的に調整されたモデルを使って画像を生成します(公式ドキュメントによるとv5.1とv5.2の中間スタイル)。無駄な装飾やライティングが入らない印象があるので、現実に存在する写真のような画を作りたい時は有効です。
■車と指定せずに車を描いた国道のUFO
次は最新のSF映画風のハイテクUFOの生成に挑戦してみます。
■国道のUFOのプロンプト
The UFO is beaming rays of light directly below, in the style of sci-fi movie still footage, national highway in the mountains, high-technology, blue lights, photo real, Unrealistic sight --ar 3:2 --style raw --v 5.2
UFOが真下に光線を放っている、SF映画風スチル映像、山中の国道、ハイテク、青い光、写真リアル、非現実的な光景、アスペクト比は3:2
「in the style of sci-fi movie still footage(SF映画風スチル映像)」や「ハイテクノロジー、青い光」という言葉を使い、先ほどよりハイテクなイメージをAIに伝えました。これだと『インディ・ジョーンズ』というより、『未知との遭遇』風ですね。
車を描きたかったのですが、そのまま「車」と指定してみると車の主張が強くなってしまい構図がアンバランスでリアリティがなくなってしまいました。そこで、車よりも大きい「山と国道」を指定してみると全体のバランスが整いました。プロンプトに「車」と書かなくても、「国道」には車が付き物ですのでAIがよしなに描いてくれます。
こういった発想の転換は、思い通りの絵を生成できないときに有効な手段です。初心者の方には難しいかもしれませんが、色々なシーンを生成しているとコツを掴んできますので色々と試してみてくださいね。
■最初のUFOブームで撮影された風のヴィンテージUFO写真
UFOの最初のブームは1947年と言われています。この年は、アメリカ合衆国のニューメキシコ州ロズウェルで起こった「ロズウェル事件」が広く報道されたことで、UFOに対する関心が急速に高まった時期です。この年代のイラストも生成してみます。
■撮影された年代を指定したUFOのプロンプト
1950s photo of UFO, in the style of vintage photos, house and yard, Roswell, New Mexico, United States of America, black and white --style raw --ar 3:2 --no lights --c 10
1950年代のUFO写真、ヴィンテージ写真風、家と庭、アメリカ合衆国ニューメキシコ州ロズウェル、モノクロ、アスペクト比3:2、ネガティブプロンプトに「ライト」
「1950s photo」というように実際の年代を指定することで、当時の写真っぽくしてくれます。時代考証は完璧ではないので注意が必要ですが、写真の色合いや写り込む素材が何となくその時代を感じる物になりやすいです。
そして今回は、カオスパラメーターを使ってみました。カオスパラメーターはプロンプトを若干無視してAIがランダムな要素を追加してくれます。
カオスパラメーターを使用しない場合は、4枚の画像とも似たような画像を生成しますが、これを使用すると、それぞれが少し違った雰囲気の画像になります。上の画像は”10”という少ないカオス値を用いたので変化が微妙ですが、こういったミステリアスな風景の画像には良いスパイスとなることが多いので試してみると面白いですよ。カオスパラメーター。
■カオスパラメーターの使い方
「--c」の後に半角スペースと数値(1~100)を指定することで使用できます。100を使うとプロンプトと全然違う絵になってしまうことが多いので、わたくし的おすすめは20~50前後です。
■UFOを墜落させる
UFOの乗組員である未確認生物も生成してみます。UFOが不時着してしまい中から2人の宇宙人が登場するシーンを想定します。UFOには申し訳ないですが墜落してもらいました。
■墜落したUFOのプロンプト
photo of crashed and decaying UFO is in pieces on ground in dark forest, Flames and black smoke and fog --ar 3:2 --no floating, flying
墜落し朽ち果てたUFOの写真、暗い森の地面にバラバラに置かれている、炎と黒煙と霧
AIはUFOは飛んでいる物という認識が強いらしく、地面に墜落したUFOを描くの難しかったです。ネガティブプロンプトに「--no floating, flying(浮遊、飛空)」を指定したら墜落してくれました。
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