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Premium-Line B660FD-Miniをレビュー

Core i7-13700&RTX 4060 Tiを搭載するプレミアムな小型PC、温度や性能は大丈夫なのか

2023年06月30日 11時30分更新

高負荷時におけるCPUの性能と温度に注目

 Premium-Line B660FD-Miniで最も気になるところは、PCパーツ本来の性能をきっちり引き出せているのか、という点に尽きるだろう。具体的に言えば、小型ゆえにCPUが熱くなりすぎてしまって、性能が落ちているのではないかという疑惑だ。

 CPUは高温になると自動で動作クロックを落とし、発熱を抑える動作に移行する。これはサーマルスロットリングと呼ばれる機能で、故障や熱暴走などを防ぐ、言わば「安全装置」だ。

 つまり、十分に冷却されている状態であれば、この安全装置が働くことはなく、性能も落ちないというわけだ。そこで、CPUに高負荷をかけて、動作クロックと温度を追跡。この値が妥当なものかを検証してみよう。

 試用機のCPUは16コア/24スレッドの「Core i7-13700」。標準仕様では、最大ターボパワーが219W、プロセッサーのベースパワーが65W、サーマルスロッティングのしきい値になる許容温度(Tjunction)は100度となる。

試用機でも標準構成のCore i7-13700を搭載していた

 CPUにかける高負荷は、ベンチマークソフト「CINEBENCH R23」を使用した。CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるソフトで、結果は「pts」という独自スコアーで表示。このスコアーが高ければ高いほど高性能なCPUとなる。

 テストはすべてのCPUコアに負荷をかける「Multi Core」と、1つのコアの性能を見る「Single Core」の2種類。Multi Coreテストは一般的な用途よりもはるかに高い負荷になるので、この試験で問題なければ、ほかの用途でもしっかり性能を発揮できると言っていい。

 なお、CPU温度のモニタリングは「HWiNFO64 Pro」を利用。このソフトを使ってセンサーからの取得値を記録し、CPUの温度や動作クロックなどをチェックした。まずは、普通にCINEBENCH R23のスコアーから見てみよう。

CINEBENCH R23の結果

 結果はMulti Coreテストが19738ptsで、Single Coreテストが2050pts。このスコアーは過去データと照らし合わせても遜色ない。つまり、性能面ではまったく問題なさそうだ。

 続いて、CPU温度を見ていこう。HWiNFO64 Proがセンサーから取得できる値は複数あるが、本稿ではCPUパッケージ温度を示す「CPU Package」と、動作クロックの平均となる「Core Clocks (avg)」の値を掲載する。

CPUパッケージ温度の推移

CPU動作クロックの推移

 すべてのCPUコアに負荷がかかる場合、CPUの動作は一定にはならない。最初の短時間は高速に動作するが、高負荷が一定時間続くと動作クロックを下げ、電力効率が高くなる動作に切り替わる。つまり、CPU温度も動作クロックも最初は高くなるが、一定時間を超えると下がるのだ。

 上のグラフを見てもらえると、まさにその通りの動きになっている。そして、最初の高速動作時の温度は最大でも68度と、余裕の安全領域。その後、動作クロックが下がると60度を切り、そこから再びじりじりと上昇していくという動きだった。

 動作クロックも最初こそ約3.7GHzあたりで動いていたが、しばらくすると約3.1GHzあたりに落ち着く。瞬間的には4GHz超えの状態も観測できたが、いずれも一瞬なので大局には影響していないだろう。

 つまり、CPUの温度も動作クロックも変に下落するような怪しい動きはなく、高負荷時でも期待通りの性能が発揮できていると言える。これだけ冷えているなら、BTOメニューにある上位モデル、「Core i9-13900」を選んでも大丈夫だろう。

 ちなみに、長時間高負荷が続いても温度に余裕があるため、CPUクーラーの騒音はかなり小さめだ。高性能な小型PCにありがちな、掃除機みたいな轟音に悩まされる心配はない。

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