スペースさえあれば設営できるVR対戦ゲーム「VERSUS」を体験
会場では、実際に「VIVE Focus 3」および「VIVE XR Elite」のコンテンツを試遊できた。
「VIVE XR Elite」向けに用意されていたコンテンツは、YORIMIYA氏が製作した映像作品「’Particle LiVE ー FACEー‘」だ。コンテンツ自体はいわゆるVRミュージックビデオがベースだが、視聴環境がMRとなっており、実際の空間に重ねてキャラクターやパーティクルといった映像を表示することで、映像作品の中に入り込んでいるような没入感を体験できた。
また、ここで利用した「VIVE XR Elite」には後日発表・発売予定のMR用ガスケット(名称未定)が装着されており、ゴーグルと目の距離が少し離れるため、周辺視野が確保され、よりMRコンテンツらしい体験ができた。
また、「VIVE Focus 3」向けには、Phenomena社の最大8人まで体験できるマルチプレイ型VRゲームプラットフォーム「VR eSports Arena」を用意。位置データ取得用のマーカーを設置することでワイヤレスに「VR eSports Arena」を実行できる環境を再現しており、会場となった会議室内で、あたかもeスポーツ専用施設のような体験ができるようになっていた。
「VR eSports Arena」は対戦型シューティング、タワーディフェンス、ダンスといった複数のゲームを切り替え、同じ体験エリアを使い回してコンテンツに幅を持たせられる点が魅力のひとつだが、今回のデモは敵を倒すスコアを競う対戦型シューティングゲーム「VERSUS」をセッティング。マップは6メートル四方、プレイヤーは合計4名、2対2での対戦だ。
4名のプレイヤーが「VIVE Focus 3」を装着すると、オペレーターがチーム分けなどの開始前セッティングを実施し、全プレイヤーがそれぞれの陣営の開始地点に立つことでゲームがスタート。
実際には何もない空間だが、プレイヤーのゴーグル上では入り組んだマップが見えているのが特徴で、プレイヤーは通路を進みながら敵との遭遇に警戒しつつ、戦闘時には手元の銃とシールドを適宜切り替えながら戦っていく。自分で動き回りながらプレイするとあって、コントローラーやキーボード・マウスで遊ぶゲームとはまた違った体験を楽しめる。
何より印象深かったのは、「VIVE Focus 3」を活用したワイヤレスVR環境の快適さだ。ケーブルの取り回しに注意する必要が一切なく、「VIVE Pro」シリーズを使ったコンテンツのようにバックパックPCを背負う必要もないため、設定されたエリア内であれば極めて快適にVR空間内を動き回れる。
狭い通路で味方プレイヤーとすれ違う場面もあったが、トラッキングの正確さもあって、ゴーグルを装着していても難なく脇をすり抜けられる。必然的に連携も取りやすく、それなりに広い空間で精度を保ったワイヤレスVRが堪能できるのは驚きだった。
総じて「VIVE XR Elite」は手軽さと汎用性、「VIVE Focus 3」は質の高いVR体験と、どちらの試遊も今後の発展性を感じられるものになっていた。コロナ禍が落ち着きつつある今こそ、国内でのさらなる普及にも期待したい。
本記事にてロケーションベース・体験型施設向けのハードウェアやソリューションに興味が出た人は、HTC VIVEの法人向け窓口(https://business.vive.com/jp/enterprise_inquiry/)に問い合わせして欲しい。
(提供:HTC NIPPON)
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