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VIVE Pro 2を体験!VRで見る5K&120Hzの世界は「ほぼ現実」レベルの没入感

2021年05月28日 15時40分更新

 5月12日、HTCはVRプラットフォーム上で開催したイベント「VIVECON 2021」にて、VRヘッドマウントディスプレー(VR HMD)の新製品、「VIVE Pro 2」と「VIVE Focus 3」を発表した。

 VIVE Pro 2は従来のVIVE Proシリーズ同様、いわゆるPC VR向けの新製品。常時PC接続が必要になるが、高品質かつ豊富なアプリに対応でき、「VIVEトラッカー」などのアクセサリーも使用できるのが特徴といえる。一方のVIVE Focus 3は、スタンドアローン型の新製品で、PCを必要とせず単体でも動作する手軽さが売りとなる。それぞれ異なるニーズに沿った製品を同時発表した形だ。

 今回、HTC NIPPON本社にて、そんな新製品のVIVE Pro 2を実際に試す機会に恵まれたので、体験時の様子をレポートしていきたい。

解像度5Kの衝撃!

 2018年に発売した初代「VIVE Pro」は、解像度が片目あたり1440×1600ドット(両目2880×1600ドット)、リフレッシュレート90Hzと当時としてはかなりのハイスペックを誇り、その翌年に登場した「VIVE Pro Eye」は、同社の製品で唯一アイトラッキング(目の動きの認識)に対応することで、研究機関などでも活用されてきた。

 そして今回、新たに発表されたVIVE Pro 2は、なんと片目当たり2448×2448ドット(両目4896×2448ドット)という5K相当の解像度。NVIDIAおよびAMDと連携して、VRヘッドセットで初めてディスプレイストリーム圧縮を利用することで、これを実現している。リフレッシュレートも120Hzに対応し、視野角は前世代から10度アップした最高120度。総合的に大幅な進化を果たした。

新製品のVIVE Pro 2

外観はVIVE Proからそれほど変化していない

 また、これは前世代からではあるが、搭載ヘッドフォンはハイレゾ認証を取得しており、より高品質なハイレゾ音源の再生にも対応している。ハイクオリティーな映像・音声を再現することで、VRならではの没入感をさらに高められるわけだ。

 HTCは、4月に「VIVEフェイシャルトラッカー」「VIVEトラッカー(3.0)」という2つのトラッカー新製品を発売しているが、VIVE Pro 2はどちらにも対応している。VIVEフェイシャルトラッカーによって表情を、VIVEトラッカーによって体の細かい動きをトラッキングできるようにするなど、アクセサリーによる機能拡張が可能だ。

口元などの表情をトラッキングする「VIVEフェイシャルトラッカー」も使用可能

 ベースステーションは1.0/2.0に対応し、コントローラーも従来のVIVEシリーズのものを使用可能。また、VALVE INDEXの“knuckle”コントローラーやVRグローブなど、既存のSteamVR用コントローラーも使用可能だという。

従来のSteamVR対応デバイスと互換性を持つ

theBluにジサトラハッチも大興奮!?

アスキーのVR担当といえばこの人、ジサトラハッチにも体験してもらった。もちろん彼もtheBluは従来のVR HMDで体験済みだが、VIVE Pro 2の映像美に驚嘆の声を上げていた

 今回は、VIVE Pro 2を使って実際にコンテンツを体験させてもらうことができた。プレイしたのは「theBlu」。海中の映像をVRで体感できる映像美が特徴的なコンテンツで、筆者は過去のVIVE製品を含め、いくつかのVR HMDでこのコンテンツをプレイした経験がある。

 従来のVR HMDでの体験と比べながらプレイしてみたのだが、没入感はこれまででも最高峰に感じた。

 初期のころのVR HMDは、ディスプレーのドット間の隙間が格子状に見えてしまう「スクリーンドア現象」などがあり、没入感の阻害につながる例もしばしば見受けられた。とはいえ、近年のVR HMDは解像度の向上などもあって、そうした現象はあまり見られなくなっている。

 5K/120HzのVIVE Pro 2は、当然スクリーンドア現象を感じないどころか、そんな近年のVR HMDの中でもかなりの映像美を実現していると言える。クラゲのテクスチャーの模様にアラ探しをしてしまったのは、(筆者の性格の悪さもあるが)解像度の高さ故だろう。

無数のクラゲが出現するシーンでは、解像度の向上が如実に体感できた

かがみこんで足元の海藻やサンゴをアップで見ているジサトラハッチ

 また、リフレッシュレートの向上も大きく、海藻の揺らぎなどより滑らかに見えた。視野角は120度になっているが、人間が両目で同時に見られる視野がおよそ120度ほどとされているので、これに近づいた形になる。これも没入感の向上に一役買っていると言えるだろう。

 ただ、これだけのスペックをフルに動かすためには、接続するPCにも十分な性能が要求される。従来のVIVE Proが快適に動いたとしても、大幅にスペックアップしたVIVE Pro 2の性能を発揮するには力不足な場合がある。公開されている推奨スペックは以下の通り。

「VIVE Pro 2」の推奨PCスペック
プロセッサー インテル「Core i5-4590」(4コア/4スレッド、3.3~3.7GHz)または
AMD「Ryzen 5 1500X」(4コア/8スレッド、3.5~3.7GHz)同等かそれ以上
グラフィック NVIDI「GeForce GTX 1060」または
AMD「Radeon RX 480」同等かそれ以上
※フル解像度モードでは、GeFoce RTX 20シリーズまたは
AMD Radeon 5000シリーズ同等か以上
メモリー 8GBまたはそれ以上
ビデオアウト DisplayPort 1.2またはそれ以上
※フル解像度モードではDCSを搭載したDisplayPort 1.4以降が必要
USBポート USB3.0またはそれ以上
OS Windows 10

 今回体験時に使用したPCでは、GPUはGeForce RTX 2070 SUPERを搭載しているとのこと。コンテンツにもよるだろうが、少なくとも「VR Ready」のミドルクラスくらいのゲーミングPCは用意したほうがよさそうだ。

発売予定は6月末
一次予約は即完売

 VIVE Pro 2の発売日は、6月末を予定している。まずはVR HMD単品のパッケージを販売し、その後コントローラーやベースステーションをセットにしたフルパッケージを販売する予定とのこと。価格はHMD単品で10万3400円、フルセットが17万8990円となる。

 前述の通り、ベースステーションやコントローラーは従来製品のものを使いまわせるので、過去のVIVEシリーズなどを購入していた人は、HMDのみ切り替えることが可能だ。なお、VIVE Pro 2 HMD単品は日本国内でもすでに予約販売が開始している。すでに一次予約分は完売しているが、二次予約が開始しているため、購入希望の人はチェックしてみよう。

5月12日深夜1時から始まったイベントで発表され、予約販売が開始されたが、一次予約分は早朝4時半ごろにはすでに売り切れていたとのこと

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