試作機のため本来の性能を発揮できていない可能性が高い
それでは気になるパフォーマンスをチェックしてみよう。今回ベンチマークを実施するにあたって、統合ユーティリティー「AOKZOE Game Center」でTDP28Wなど最高パフォーマンスに設定している。
まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は13149pts、CPU(Single Core)は1792ptsとなった。前世代のプロセッサー「AMD Ryzen 7 6800U」を搭載する「ONEXPLAYER 2」のCPU(Multi Core)は10982pts、CPU(Single Core)は1508ptsだったので、マルチスレッドで約120%、シングルスレッドで約119%相当のスコアを記録したことになる。
ただ「AOKZOE A1 Pro」のスコアを単体で見ると、シングルスレッドに比べてマルチスレッドが低くなっており、熱ダレしているように思える。今回借用した試作機は個体差などにより、Ryzen 7 6800U本来の性能を最大限に発揮できていない可能性が高い。
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyは2967、Fire Strikeは6731、Wild Lifeは15449となった。「ONEXPLAYER 2」がTime Spyは2704、Fire Strikeは6813、Wild Lifeは15326だったので、Time Spyで約110%、Fire Strikeで約99%相当、Wild Lifeで約101%相当のスコアに留まっている。
こちらもプロセッサーのスペック差を考慮すると、「AOKZOE A1 Pro」が本来の性能を発揮できていないように思える。製品版で改めてパフォーマンスをチェックしてみたいところだ。
一方ストレージ速度はかなり高く、シーケンシャルリードは7009.88MB/s、シーケンシャルライトは6268.18MB/sというスコアを記録した。製品公式サイトでは読み込み速度は7109MB/s、書き込み速度は6240MB/sと謳われているので、ほぼスペックどおりのパフォーマンスを確認できたわけだ。
3Dゲームベンチマーク「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは3558(普通)となった。さらに、解像度別のフレームレートを「MSI Afterburner」で計測したところ、HD(1280×720ドット)で平均53.3fps、フルHD(1920×1080ドット)で平均34.8fpsとなりました。FINAL FANTASY XVを「AOKZOE A1 Pro」でプレイするなら、軽量品質に設定したほうがよさそうだ。
バッテリーベンチマークについては、「PCMark 10」の「Gaming」を輝度40%で実行したところ、1時間27分という結果となった。やはり高負荷なゲームをプレイした場合には、ほかのポータブルゲーミングPCと同様に2時間には届かないようだ。
性能&価格面でROG Allyに対する強力なライバルと言える
発売予定が8月上旬ということで今回は試作機でのファーストインプレッションとなったため、「AOKZOE A1 Pro」本来の性能を確認できなかった可能性が高い。しかし、最新プロセッサー、8型ディスプレー、高速ストレージ、充実したインターフェースと非常に魅力的なモデルに仕上げられている。ROG Allyに対する強力なライバルとして、ポータブルゲーミングPC市場をさらに活性化してくれることに期待したい。
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