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メルセデス・ベンツの新SUV「GLC」は “高級感”のなんたるかを実感できる高い完成度!

2023年06月25日 15時00分更新

メルセデス・ベンツのSUV「GLC」

 この春、メルセデス・ベンツの人気SUV「GLC」の最新モデルが発売開始となりました。参加した試乗会でのインプレッションを紹介します。

上位モデルの最新技術を詰め込んだミッドサイズSUV

 3月16日より、メルセデス・ベンツの新型「GLC」が発売開始となりました。「GLC」は、メルセデス・ベンツのSUVラインナップを意味する「GL」と、ミッドクラス相当である「C」の名前が与えられたモデル。世界的にも最も数多く販売されているミッドサイズのSUVとなります。初代モデルが2015年に登場し、2020年と2021年はメルセデス・ベンツSUVの中で、世界で最も数多く売れたモデルとなりました。

 その人気モデルのフルモデルチェンジ版が、今回の新型車となります。日本に導入されたのは2リッターのディーゼル・エンジンの4WDモデルとなる「GLC 220d 4MATIC」のみで、車両価格は820万円です。

 エクステリア・デザインは、最近のメルセデス・ベンツと同じ「センシュアル・ピュリティ(官能的純粋)」をコンセプトにしています。これはラインやエッジを減らし、優美な曲面でボディー全体を構成しているのが特徴です。車両サイズは、全長4725×全幅1890×全高1635mm。先代と比べると、全長が50mm伸びただけで、幅はそのまま、高さは5mmだけ下がっています。ほとんど先代そのままの寸法と言っていいでしょう。日本車と比べると、トヨタの「RAV4」よりも微妙に大きいという程度です。

 ちなみに全長が伸びただけ荷室が広くなっており、先代比では70Lも容量が拡大しています。通常ポジションで620L、後席を倒すと1680Lにもなります。実用度は十分あります。

 また、「GLC」には上位モデルにも採用されている「リア・アクセルステアリング」という後輪操舵機能がオプションで用意されています。そのため最小回転半径は通常モデルで5.5m、リア・アクセルステアリング装着車では5.1mまで小さくなります。日本での取り回しに苦労することはないでしょう。

ひと味違う高級感を感じさせるインテリア

 今回、試乗したのはAMGランパッケージというオプション装着車でした。そこで、驚いたのはインテリアの斬新さです。試乗車には「ブラックオープンボアウッドインテリアトリム」というオプションが装着されていました。なんと、ウッドパネルに縦じまが入っています。こんなの初めて見ました。また、縦型11.9インチのセンターディスプレイを中心に置いたインテリア・デザインは非常にモダンなもの。アンビエントライトの演出もあり、非常に高級感を感じられます。

 インテリアの基本デザインは、上位モデルである「Sクラス」や「Eクラス」と同じテイストになっているのもうれしいところ。こうした分かりやすい高級感は、日本メーカーにはなかなかマネできない部分ではないでしょうか。

 さらにナビゲーションには上位モデルから採用が始まった「ARナビゲーション」(前方を撮影した映像に、矢印などを上乗せして表示する機能)や、「トランスペアレントボンネット」機能(クルマのフロント部分の床下の路面をディスプレイに表示)など、最新の機能も数多く採用されています。こうした最新の機能を積極的に採用していることもメルセデス・ベンツの高級さを裏付けるポイントと言えるでしょう。

走り出しはスムーズなのに上ではダイレクト

 新型「GLC」のパワートレインは、マイルドハイブリッドの2リッターの「OM654M」ディーゼル・ターボ・エンジンが搭載されています。これは最高出力145kW(197PS)/最大トルク440Nmのエンジンに、17kW(23PS)/205Nmのモーター、そして9速のATが組み合わされています。先代よりも排気量が42cc大きくなり、燃費性能が19%改善され、18km/L(WLTCモード)を実現しています。

 試乗して思ったのは、音とノイズが非常に上手に抑え込まれているということです。ボリュームが小さくなっているだけでなく、音質も角が取れて耳に優しくなっていました。また、回転を上げてゆくと、小気味よくビートが揃っているのも好印象です。

 そして、加速感が上品であることも気に入りました。最初はゆったりとスムーズに加速してゆき、ある程度のスピードに乗るとダイレクト感が増してゆきます。9速もあるATの変速は滑らかそのもの。マイルドハイブリッドのモーターの存在が、滑らか感をより強めているのでしょう。こうした特性は、同乗する家族や友人、恋人にもきっと気に入られることでしょう。

 試乗車はオプションのAIRMATICサスペンションが装着されていました。ダンパーの伸び側と縮側それぞれに可変ダンピングシステムを備えており、路面や運転状況、乗車人員にあわせた減衰値を保ちます。あたりの柔らかさが印象に残りました。個人的には、しなやかな足回りを活かして、もう少し軽いアルミホイール&タイヤに交換して、もっと快適性を高くして乗りたいなと思ったほどです。

【まとめ】上品にまとめられたSUV
走りも実用性もいい先代以上の仕上がり

 試乗車はAMGパッケージを装着しているため、ちょっといかつい顔つきになっていますが、基本的に「GLC」は上品なクルマであると感じました。スムーズな加速に、あたりの柔らかい足まわり。高速道路を遠くまでドライブするにはぴったりの走り味です。

 また、インテリアは、モダンで高機能、そしてゴージャス。これだけでも買う価値は十分に感じられるでしょう。しかも、荷室が広くて実用性も十分。日本で使うにも困らない適度な寸法というのも美点です。

 こうした内容であれば、この新型も先代に負けないベストセラーになるのではないでしょうか。そんな納得感いっぱいの試乗となりました。

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