2023年6月2日、サイコムは静音PCの新シリーズ「Silent-Master PRO」を発売した。多くの人が二度見したであろうその内観は、これまでの静音PCの常識を覆すものだった。
従来のSilent-Master NEOシリーズは静音性を重視するため、あえて空冷クーラーを採用してきた。高負荷時にはそれなりに騒音が大きくなるものの、通常時は電源が入っているのか心配になるほどの静音動作で、「静音性も性能のうち」と考えるユーザーの間で人気を博している。
新シリーズのSilent-Master PROでは、このCPUクーラーを刷新。なんと、Noctuaのファンレス巨大CPUクーラー「NH-P1」を採用し、PCケース前面と背面のファンが生むエアフローのみで冷やすという思い切った構成が話題になっている。ちなみに、同社のTwitterアカウントでは2023年1月にチラ見せしていた。
新モデルの検討中です。まだ検証の初期段階で発売できるかも未定です。 pic.twitter.com/35L8mF7H0l
— BTOパソコンのサイコム -The Craftsmanship- (@sycom_jp) January 26, 2023
Noctua製のファンレスクーラーで超静音化
ファンレスCPUクーラーは扱いどころが非常に難しいPCパーツだ。エアフローのみで冷やすため、どうしてもファンが付属するクーラーと比べると冷却能力が低くなる。また、CPUのグレードが上がれば、運用難易度はさらに跳ね上がる。強力なPCケースファンを採用すれば静音性は失われるし、それなら最初からファン付きのCPUクーラーにすれば良かった、なんて話はざらだ。
そのため、PCケースやファンの選択、レイアウトをどうするかなど、PCパーツの選定から組み立てまでかなり試行錯誤することになる。今回はそんな同社の努力が光る超静音PCシリーズ、Silent-Master PROからミニタワーモデルの「Silent-Master PRO Z790-Mini/D4」を紹介する。本稿を含め2本のレビュー記事を予定しているが、今回は最も気になるであろう内部構成に迫る。
Silent-Master PRO Z790-Mini/D4 | ||
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標準構成の主なスペック | 試用機の主なスペック | |
CPU | インテル「Core i7-13700T」(16コア/24スレッド、最大4.9GHz) | インテル「Core i9-13900T」(24コア/32スレッド、最大5.3GHz) |
CPU クーラー |
Noctua「NH-P1」(空冷、ファンレス) | |
マザー ボード |
ASRock「Z790M PG Lightning/D4」(インテルZ790、Micro-ATX) | |
メモリー | 8GB×2、DDR4-3200<メジャーチップ・8層基板> | 16GB×2、DDR4-3200<メジャーチップ・8層基板> |
ストレージ | Crucial「P5 Plus CT1000P5PSSD8」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0) | |
ビデオ カード |
ASUS「TUF-RTX4060TI-O8G-GAMING」(GeForce RTX 4060 Ti、8GB GDDR6) | |
電源 ユニット |
Fractal Design「Ion+ 2 Platinum 660W FD-P-IA2P-660」(660W、80 PLUS PLATINUM) | Fractal Design「Ion+ 2 Platinum 860W FD-P-IA2P-860」(860W、80 PLUS PLATINUM) |
PCケース | Fractal Design「Define 7 Mini Black Solid FD-C-DEF7M-01」(Micro-ATX、ミニタワー) | |
PCケース ファン |
Noctua「NF-A14 FLX」(140mm、前面)、Noctua「NF-A12x25 ULN」(120mm、背面) | |
OS | Microsoft「Windows 10 Home 64bit」 | |
直販価格 | 30万230円~ | 34万2600円 |
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