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PDFのコラボレーションソングも公開

6月15日は「PDFの日」に! 30周年を迎えたPDF&Adobe Acrobat

2023年06月15日 10時30分更新

Teams連携やAPI連携でAcrobatとPDFの活用がさらに進化する

 次は、Document Cloudの活用デモが行なわれた。外出先や移動中でメールを受け取って、文書を確認しなければならないことはよくある。デモではWord文書を開いたのだが、スマホアプリ上ではデザインが崩れて内容が読めなくなっていた。そこで、Acrobat ReaderアプリでこのWord文書を読み込み、クラウド上でPDF化したところ、元のデザインで表示することができた。閲覧だけでなく、コメントを入れて相手に戻すといったことも可能だ。

ビューワーでは崩れたWordもPDFにすればきちんと表示できる。デモを行っているのはアドビ ソリューションコンサルタントの永田敦子氏

 Microsoft TeamsのPDFエンジンはすでにアドビ製になっており、PDFのレビューもシームレスに行なえる。TeamsにAcrobatのアイコンが統合されており、メンバーはリアルタイムにPDFを共有し、異なる環境からでもコメントを付けてコミュニケーションできる。使い慣れたプラットフォームを離れることなく、PDFを扱えるのは便利だ。

TeamsにはAcrobatが統合されている

 PDFは情報の保護、セキュリティおよびコンプライアンスにも力を入れている。アドビでは、Acrobatだけでなくすべての製品でセキュリティをファーストプライオリティに位置付けているのだ。その一環で、Acrobatはマイクロソフトの情報保護ソリューション「Microsoft Purview Information Protection(MPIP)」をネイティブで扱えるようになっている。

 デモではさまざまなプロジェクトに関連するファイルをまとめたPDFファイルにセキュリティをかける様子が紹介された。機密情報が含まれているので、関係者間とだけ安全にやり取りするという想定だ。ポップアップ画面で、MPIPのラベルをPDFに適用したり、共有する相手によって権限を変えることができる。有効期限を設定できるので、たとえば、プロジェクトが終わったタイミングで、自動的に文書へのアクセスを遮断することも可能だ。

相手によっては権限を「読み取り」のみに設定することができる

 次のデモは、Acrobat Signによる文書プロセスの自動化だった。Acrobat Signはマイクロソフトの自動化ツールPower Automateと密に統合されており、豊富なテンプレートも用意されている。

 今回は、雇用契約書を送る文書ワークフローを自動化していた。雇用者の氏名や給与体系、契約の開始日などの情報を入力し、「送る」をクリックするだけで、Power Automateで設計したプロセスが自動で走るようになっている。

 あらかじめ相手によって異なる内容の契約書を作るのではなく、AcrobatのドキュメントジェネレーションAPIにより、テンプレに情報が自動的に差し込まれて送信されるので手間がかからない。PDFには監査証跡レポートも添付されるので、法的有効性も担保されている。

契約書PDFの作成から署名依頼、保存までをPower Automateで自動化する

 アクセシブルなPDFの作成についても紹介された。昨今、障害者差別解消法が成立するなど、障害の有無によって分け隔てられることなく共生する社会が求めらえるようになってきている。そんな中、PDFもアクセシビリティに対応し、読み上げられるようにする必要がある。

 テキストが段組みになっているPDFなのに、何もタグが設定されていないファイルだとスクリーンリーダーでは読み上げるのが難しい。そこで、入力用のフォルダーを用意し、そこにファイルを保存すると「PDF Accessibility Auto-Tag API」により自動的にタグが付けられるというものだ。精度の高いタグが付与されており、簡単な操作でアクセシビリティに対応できるのが便利だ。

ファイルをドラッグ&ドロップするだけでタグが付けられる

「PDFの日」認定、コラボソング、SNSクイズキャンペーンと話題が目白押し

 PDF&AdobeAcrobat30周年を記念して、アドビ マーケティング本部デジタルメディアビジネスマーケティング執行役員である竹嶋拓也氏から3つの発表が行なわれた。まずは、冒頭でも紹介した「PDFの日」の制定。2つ目が、PDF&Acrobatと同世代の若手アーティストxiangyu(シャンユー)氏が手掛けた、コラボレーションソングの紹介。楽曲は「Adobe Document Cloud JP」の公式YouTubeチャンネルで公開されている。

xiangyu氏のPDFコラボレーションソング

「この曲はAcrobatとPDFの30周年と、そして私自身も来年もう30歳になるとなるので、そこにすごく縁を感じるというか、PDFもみんなが思ってる以上にいろんなことができるんだぞ。私も自分が思ってるよりもいろんなことがきっとできるし、これからもいろんなことに挑戦していきたいっていう思いを込めて作った曲です」(xiangyu氏)

 3つ目が、30周年を記念したSNSキャンペーン。6月15日からAdobe Japan公式twitterアカウント(@AdobeJapan)でPDF検定クイズキャンペーンを実施する。1週間おきにPDFの機能やユニークな特徴についてクイズが出題され、全3問のクイズに回答すると、正解数に応じてAcrobat Proのライセンスコード1年分やクッションステッカーなど、アドビオリジナルグッズが当たる。早速、Twitterアカウントをチェックしてみよう。

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