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体験してわかったアップルの「空間コンピュータ」Vision Proの未来(西田宗千佳)

iOSをベースに作られているので、iOS/iPadOS用のアプリはほぼそのまま動作するという

まずはiOS/iPadOSアプリから。最終的には「空間アプリ」へ

 普通に使える「空間ディスプレー」なのはわかった。重要なのは「コンピューターとしてどれだけ使えるか」だ。デモでは多くのアプリが体験できた。ここもおおむね問題なさそうだ。

 Vision ProはiOS/iPadOSのアーキテクチャを核に作られたコンピューターなので、それらの機器向けのアプリはそのまま動く。

Microsoft Officeのネイティブアプリも開発中

 また、Microsoft OfficeやZoomなどは、Vision Pro専用のネイティブ・アプリケーション開発がすでに進んでいるという。

 そもそもMacのディスプレーとしても使えるので、「アプリが足りない」と思うことはなさそうに思える。

 もちろん、最終的に必要なのは、空間をうまく活かすネイティブアプリケーションだろう。「空間に浮かぶディスプレー」から「空間を活かすアプリ」に広がり、最後には「立体的に空間を使う世界」になっていく。

立体空間と現実を溶かすようなアプリが求められていく

 発売まで半年以上あるにも関わらず、Vision ProがWWDCという「開発者会議」で発表になったのは、開発者のサポートを得ることが目的だ。

 実際にVision Proを体験したデベロッパーは、きっと何かを作りたくなるだろう。筆者はそう考えている。逆に、体験も含めて「いかにデベロッパーの想像力と好奇心を刺激するか」が、Vision Proにとってまず必要になることなのかもしれない。

 

筆者紹介――西田 宗千佳

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、アエラ、週刊東洋経済、AVWatch、マイコミジャーナルなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「ソニーとアップル」(朝日新聞出版)、「ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘」(KADOKAWA)、新著「メタバース×ビジネス革命」(SBクリエイティブ)などがある。

 

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