週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

最大転送速度10000MB/秒超え!2段ヒートシンクが目を引くPCIe 5.0対応SSD「Nextorage NE5N」シリーズの実力とは

2023年06月09日 13時00分更新

10000MB/秒超えで温度上昇も抑える

 それでは、NE5Nのヒートシンクあり2TBモデルで、その実力を検証してみよう。テストをした環境は以下の通り。マザーボードにはヒートシンクが装着されているが、それを使わずにNE5N搭載のヒートシンクで計測した。なお、比較対象としてPCIe 4.0に対応したNextorage「NEM-PA」シリーズのヒートシンク付きモデルでも計測している。

ベンチマークテストの環境
CPU AMD「Ryzen 5 7600」
(6コア/12スレッド、最大5.1GHz)
マザーボード ASRock「B650E Taichi」(AMD B650E、ATX)
メモリー 32GB、DDR5
グラフィックス AMD Radeon Graphics
OS Microsoft「Windows 11 Home」

比較対象として、PCIe 4.0対応の「NEM-PA」シリーズヒートシンクつき2TBモデルで計測した

 まず、定番の転送速度を測る「CrystalDiskMark 8.0.4」から。設定は「NVMe」にして計測している。

NE5Nシリーズの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

NEM-PAシリーズの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

 結果は、シーケンシャルリードで10087MB/秒、シーケンシャルライトで10210MB/秒と公称値以上の値を出している。PCIe 4.0対応のNEM-PAシリーズと比較しても、シーケンシャルリードで1.37倍、シーケンシャルライトで1.48倍を記録している。

 一方で、ランダムアクセスの速度がいずれも3桁止まりというのが気になるところ。NEM-PAシリーズよりシーケンシャルアクセスとの差があるので、使い方によっては本来の力を発揮できないかもしれない。

 転送速度のベンチマークテストとして「ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1」も実行してみた。こちらはI/Oサイズを変えたときの転送速度の変化が見られる。なお、ATTO Disk BenchmarkとCrystalDiskMarkとでは単位の計算方法が違い、ATTO Disk Benchmark は1GB=1024MB、CrystalDiskMarkは1GB=1000MBであるためATTO Disk Benchmarkの結果がかなり低く見えることに留意してほしい。

NE5Nシリーズの「ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1」の結果。ファイルサイズは1GBで計測

NEM-PAシリーズの「ATTO Disk Benchmark 4.01.0f1」の結果。ファイルサイズは1GBで計測

 結果は、多少ばらつきはあるものの、シーケンシャルリードはI/Oサイズが4MBあたりから9584MB/秒程度、シーケンシャルライトは128KBあたりから9768MB/秒程度の速度に落ち着いている。

 一方、NEM-PAシリーズはシーケンシャルリード/ライトともに128KBから安定して最速レベルをキープ。シーケンシャルリードで7024MB/秒なので、NE5Nシリーズと同様、CrystalDiskMarkの結果から若干下回る値を示した。

 続いて、アプリを実行したときの性能を測る「PCMark 10」でストレージ性能のベンチマークテスト「Full System Drive Benchmark」を実行。

「PCMark 10 Full System Drive Benchmark」の結果

 結果は、NE5NシリーズのほうがNEM-PAシリーズに対してスコアで1500以上の差をつけている。ディテールを確認すると、Overall bandwidthで703.2MB/秒、478.9 MB/秒と230MB/秒の差が開いたのが大きな要因だ。

 アプリでの動作を中心とした実際の作業でどの程度の性能なのかを計測するベンチマークテストでこの結果は、NE5Nシリーズの有効性を高く感じた。

 もう1つ、3DCGゲームでの読み書き動作性能を計測する「3DMrak Storage Benchmark」も実行してみた。

「3DMrak Storage Benchmark」の結果

「3DMrak Storage Benchmark」の詳細結果

 結果はPCMark 10 Full System Drive Benchmarkと同様の結果が得られている。詳細を見てみても、全てにおいてNEM-PAシリーズを凌駕しており、特にゲームの移動に関しては1800MB/秒もの差をつけている。ゲームプレイにおいても、NE5Nシリーズの有効性を確認できた。

 また、動作中の温度をHWiNFO64でSSDのS.M,A,R,T,による値を確認したところ、「3DMark Storage Benchmark」を動作させたときに、38度から65度まで上昇していた。NEM-PAシリーズは40度から57度までの上昇に留まっていたため、やはりPCIe 5.0対応のコントローラーなどのチップは、かなり高温になることが伺える。それでも、ファンレスヒートシンクで、65度までに留めていることは、しっかり冷却されていると言えよう。

価格はヒートシンク付きが3万円台から

 NE5Nシリーズの価格は、ヒートシンクありのモデルで1TBが3万1800円前後、2TBモデルが5万9800円前後。ヒートシンクなしのモデルで1TBが2万7800円前後、2TBモデルが5万5800円前後と4000円安い設定になっている。

 PCIe 5.0対応NVMe SSDは各メーカーから続々と登場しはじめてきているが、転送速度が注目されるものの発熱に対してどう対処するかが決め手になりそう。そうしたなか、NE5Nシリーズのヒートシンクありモデルは、意外と温度上昇を抑えられており、比較的安定した動作が見込める。

 PCIe 5.0対応のCPUは、インテルが第12世代からAMDがRyzen 7000シリーズからで、対応したマザーボードも発売されているが、自作erにとっては世代が変わっているこの時期に、新規マシンを構築したいはず。価格としてはまだまだ高いが、メインストレージとしてNE5Nシリーズの導入を検討するのはありではないだろうか。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事