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メタバース鳥飼八幡宮

神社参拝もメタバースを活用する時代、開発に半年、常設の設置は日本初

2023年06月02日 08時00分更新

鳥飼八幡宮コンセプトアート

 EY Japanは、福岡市の鳥飼八幡宮を3Dで再現したメタバース神社を公開した。境内をメタバース空間に再現し、自由に歩き回ることができるほか、体験型のコンテンツを用意。多くの人に鳥飼八幡宮の興味を持ってもらうように工夫をしている。

端末を超え、場所を超えた参拝体験

 メタバース神社は、鳥飼八幡宮の拝殿や境内をバーチャルで再現したもの。参拝や境内の散策など、神社での体験ができる。スマホを使って、メタバース神社を訪れることができるため、VRグラスなどが不要で、デバイスに左右されず、手軽に参拝できるのが特徴だ。

鳥飼八幡宮 拝殿

拝殿

 EY Japan クライアントテクノロジーハブ アソシエートディレクターの朝倉康貴氏は、「参拝の作法を学べるコンテンツや、おみくじや結び紐のほか、ごみ拾いや着せ替え、福男・福女レースなど、無料で体験できるゲーム性があるコンテンツを数多く用意した。これらのコンテンツを体験することで、鳥飼八幡宮に関する知識を得ることができる豆知識カードも用意し、見て、体験して、知識を得ることができる。繰り返し、参拝に来てもらえることを目指している」という。

鳥飼八幡宮
鳥飼八幡宮
鳥飼八幡宮 福男福女レース

福男福女レース

 画面上に表示されるステックのアイコンを操作してアバターを移動。拍手や礼、お賽銭を投げる動作を行えるアイコンが用意されている。

 境内を移動中に豆知識カードを引くと、鳥飼八幡宮に関する情報を得たり、お参りの際には2礼2拍手1礼をすることなど、参拝のルールを学んだりできる。

鳥飼八幡宮
鳥飼八幡宮

 豆知識カードは37種類が用意されており、獲得したカードはコレクションできるため、様々なカードを集める楽しさもある。

 なお、豆知識カードを登場させるためには、境内のごみを拾うなどのイベントをクリアする必要がある。「2礼2拍手1礼を守って参拝すると、豆知識カードが登場するなど、お参りの仕方を学びながら、集めることができる」という。

鳥飼八幡宮手水舎

手水舎

 また、水舎を訪れると手水を行うためのアイコンが表示され、手を清めることができる。水を使っている音も聞くことができる。社殿では、鈴を鳴らすことも可能だ。

宇宙の中に存在するメタバース神社、宮司や巫女になって楽しむ

 メタバース空間では、宮司や巫女の格好に着替えることができたり、境内にいる猫と追いかけっこをしたり、屋根に登ったり、まだ完成していない施設に入ることができるようになるなど、リアルではできない体験もできる。

鳥飼八幡宮
鳥飼八幡宮

 EY Japan Chief Innovation Officerの松永達也氏は、「鳥飼八幡宮メタバース神社は、誰もがいつでも集い、思い思いに過ごせ、未来につながることを目指した。遠方に住んでいる人や、外出が困難な人、日本の文化に関心がある海外の人たちも、メタバース神社を訪問し、参拝したり、おみくじを引いたりといったことができる」とし、「テクノロジーを活用して、情報発信を行い、地域の伝統、文化を、未来につないでいくことを目的にしている。顧客体験を再設計するためにメタバースを活用しているおり、神社の体験、情報発信を変革することが狙いである」とした。

 開発には約半年間をかけており、メタバース空間に、常設で神社が設置されるのは、日本初の試みだという。

 「鳥飼八幡宮では、200年ぶりに本殿を建立した。これを含めて、境内全体で数1000枚の写真を撮影して、メタバース空間に再現。さらに、今後、建設する構想がある施設も、先行する形でメタバース空間に配置。宇宙のなかに存在するメタバース神社を実現した」という。

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