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「超知能」も議論の対象:

AIのウソと著作権、国際レベルの問題に

2023年05月29日 07時00分更新

日本がAIをリードできるか

外務省が発表しているG7広島サミット「世界経済」概要ページ

 そんな中、5月19日からはG7広島サミットが開催され、「世界経済」の文書の中に生成AIが盛り込まれました。外務省で発表されている該当部分は以下の通りです。

 「デジタルについて、G7首脳は、G7の価値に沿った生成系AIや没入型技術のガバナンスの必要性を確認するとともに、特に生成系AIについては、『広島AIプロセス』として担当閣僚のもとで速やかに議論させ、本年中に結果を報告させることとなりました。

 また、岸田総理から、『人間中心の信頼できるAI』を構築するためにも、『信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)』を具体化させるべく、閣僚レベルの合意に基づき、国際枠組の早期設立に向けて協力を得たい旨述べました。これを受け、岸田総理は、議長国として相応の拠出も含め、貢献していく旨述べました。」

 今年中に、日本が中心となって世界各国の情報をまとめるようです。また、国際的な枠組みを成立させていくことも掲げられました。ただ、アメリカとEUとは明確にレギュレーションの枠組みを巡って官民を巻き込んだ対立を始めようとしています。国際間でのつばぜりあいが強くなっていく中、日本が各国をまとめていくことができるのかは、まだはっきりとはわかりません。

 生成AIは単に企業だけでなく、それぞれの国家にとっての、次の時代の富へとつながる重要な技術であるということが、全世界に認識されつつあることが明確になりつつあります。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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