週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

インパクト大なハイエンド機もあるZTEのスマホは「ビジネス」「カメラ」「ゲーミング」の3体制に

2023年04月17日 12時00分更新

ZTEの最新スマートフォンに注目

ZTEはAXON、Nubia、REDMAGICの
3つの高性能モデルで勝負!

 ここ数年、おとなしい動きをしていたZTEのスマートフォンですが、2023年に入ってからラインナップを整理していくようです。4月12日にはハイエンドモデルとして「AXON 50 Ultra」が発表されました。チップセットはSnapdragon 8+ Gen 1。一方、過去のAXON最上位モデルが採用していた機能の1つ、アンダーディスプレーカメラ(UDC)は非採用となりました。UDC採用スマートフォンはサムスンやシャオミが出しているものの、数は限定的で、ZTEは楽天モバイル向けの「Rakuten BIG」から数えると、派生モデルも含めすでに10機種以上を投入しています。

ZTE AXON 50 Ultra

 AXON 50 Ultraは中国の衛星通信に対応し、携帯電話ネットワークのないエリアでもSMSの送受信が可能です。それに加えて自社開発のセキュリティーチップを搭載。俳優のウー・ジン(ジャッキー・ウー)をイメージキャラクターに迎えるなど、ターゲットはビジネスユーザーに見えます。

 カメラは6400万画素+5000万画素超広角+5000万画素3倍望遠と高性能ですが、1つ前のチップセットを搭載していることから、AXONブランドはビジネス向けの高い安全性が保てるスマートフォンとして展開していくのかもしれません。

イメージキャラクターとなるウー・ジン氏

 AXON 50 Ultraより先に発表された「nubia Z50 Ultra」はZTEの関連会社となったNubiaの製品で、こちらはSnapdragon 8 Gen 2にUDCディスプレーを搭載。カメラは6400万画素+5000万画素超広角+6400万画素3.3倍望遠と、AXON 50 Ultraより高性能です。

nubia Z50 Ultra

 Nubiaの現在の主力ブランドはゲーミングスマートフォンの「REDMAGIC」です。しかし、Nubiaは元々ZTEからスピンアウトして生まれたメーカーで、初期の製品は星空撮影が可能などカメラ性能を売りにした「nubia Z」シリーズが主力でした。その後はデザインモデルや両面ディスプレーモデルなどを出したものの、いつの間にやらREDMAGICがNubiaのメジャー製品となっていったのです。

 2019年発売の両面ディスプレー「nubia Z20」の後継機として2021年に登場した「nubia Z30 Pro」は6400万画素トリプルカメラのカメラフォンで、nubia Zシリーズの本来の姿を復活させました。

Zシリーズ=カメラフォンならではのnubia Z50 Ultraの強力なカメラ

 nubia Z50 Ultraには、ゴッホの名画をモチーフにした特別モデルも存在します。こんな遊び心を持った製品を展開するのはカメラフォンをアートのツールとして使ってほしいと考えているからかでしょうか。

nubia Z50 Ultra Starry Sky Edition。ゴッホの「月夜星」を背面モチーフにしている

 これら2つの前モデルとも言える、2022年5月に登場した「AXON 40 Ultra」はSnapdragon 8 Gen 1に6400万画素カメラ3つ、UDCディスプレー搭載という、本体スペックもカメラも最高の製品でした。AXON 40 UltraがZTEの最上位モデルであり、これ1台に最新の技術すべてを詰め込んだ製品だったのです。

 ですがハイエンドモデルはほかのメーカーも次々と新製品を出しており、AXON 40 Ultraの後継機をさらにスペックアップするとなると、開発コストもかかりますし製品価格も高くなるでしょう。そこでZTEはAXON 40 Ultraの後継機を「ビジネス」「カメラ」と2つに分けたと考えられます。

2022年のフラッグシップモデルであるAXON 40 Ultra

 2023年のZTEはゲーミングモデルも出し、若いユーザーにブランドが知られている「nubia」をカメラフォンとしてアピール、主力ラインであるAXONはビジネスユースを狙った質実剛健な製品とし、さらにゲーミングフォンのREDMAGICを3本目のハイエンドモデルの柱にするという、贅沢な展開をしていくのでしょう。

ゲーミングモデルの最上位機REDMAGIC 8 Pro

 REDMAGIC 8 ProはUDCディスプレーを採用したことから、リフレッシュレートは120Hzとなっています。これは前モデルのREDMAGIC 7などの165Hzからスペックダウンしました。UDCにより画面を遮るものが一切なくなりゲームプレイに集中できることを優先したのでしょうが、他社のゲーミングスマートフォンの最新モデルが165Hzディスプレーを搭載していることを考えるとちょっと残念です。もしかすると、次世代のUDCディスプレーは144Hzや165Hzに対応予定で、REDMAGIC後継機ではそれを搭載するのかもしれません。

REDMAGIC 8 Proにはサイバーなシルバーモデルも中国で登場

 日本ではREDMAGICが販売されているものの、ZTEのスマートフォンはあまり目立っていません。nubia Z50 UltraやAXON 50 Ultraのようなハイエンドモデルもいずれ国内展開を期待したいですね。

山根博士のオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事