G-Master Spear X670Aをレビュー
Ryzen 9 7950X3D&GeForce RTX 4080搭載PC、クセはあるがゲーミング性能は本物
Ryzen 9 7950X3Dの真価を発揮させるには準備が必要
そして、Ryzen 9 7950X3Dを正しく扱うためには「お作法」も学ばなければならない。詳しくは加藤勝明氏のレビュー記事「3D V-Cache搭載「Ryzen 9 7950X3D」はゲーミングCPUの最高峰に輝くのか?【前編】」をご覧いただきたいが、このお作法を守らなければ、「ゲーム」と「その他のソフト」を区別できず、優先CCDが正しく選択されないのだ。
では、正しい動作のためにはなにが必要かというと、AGESA 1.0.0.5c以降で3D V-Cacheに対応したBIOSと、同じく3D V-Cacheに対応したチップセットドライバーになる。今回は試用機ということもあってどちらも非対応のバージョンとなっていたが、実際に出荷されるG-Master Spear X670Aでは、当然どちらも対応バージョンを導入済みだろう。
さて、準備が整ったところでベンチマークに移ろう。まずはCPUベンチマークソフトの定番となる「CINEBENCH R23」を使い、無制限(32スレッド)/16スレッド/8スレッドの3パターンでテスト。この時使用するコアをタスクマネージャーでチェックしてみた。
なお、CINEBENCH R23はCGレンダリング時間からCPUの性能を測るベンチマークソフトだ。複数のスレッドが動く分散処理になるため、CCDをまたいでもあまり性能が落ちず、コア数が多ければ多いほど高性能になりやすい。まずは無制限(32スレッド)の結果と、その時のタスクマネージャーをご覧いただきたい。
Multi Coreテストが35642ptsで、Single Coreテストが2024pts。Multi CoreテストのスコアーはTDPが引き下げられていることもあってか、Ryzen 9 7950Xよりも低いもののその差は5~6%程度と小さい。そして、Single Coreテストはほぼ同じ。
続いて16スレッドに限定した場合を見てみよう。なお、スレッドを絞れば当然スコアーは下がるがその数字に意味はないため、ここからはタスクマネージャーの結果だけを見ていこう。
16スレッドの場合はCCD1に偏るのかと思いきや、CCD0とCCD1の物理コア(タスクマネージャー上では左側のコア)が優先で動いていた。フルスレッド動作よりも電力や熱に余裕があるためか、動作クロックが若干上昇している点も興味深い。
では、8スレッドにした場合はどうなるだろう。
結果はご覧の通り、CCD1(タスクマネージャー下部の8コア/16スレッド)の物理コアに偏った。CINEBENCH R23はゲームではなく、「その他のソフト」に分類されるため、高クロックで動作するCCD1に集中したのだろう。CCD0をほとんど使っていないためか、動作クロックの表示も5GHz超えと高い。
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