日本市場への参入に意欲的なOrbic
だが激戦区でどう存在感を見せるのか?
アメリカのデバイスメーカーOrbic(オービック)は、スペイン・バルセロナで開催された「MWC Barcelona 2023」に出展。あわせて日本のプレス向けに、グループインタビューを開催し、日本市場への参入について説明をした。
Orbicは2006年創業の米国企業で、現在はスマートフォンのほか、タブレットやモバイルルーター、PC、スマートウォッチなどのウェアラブルなど、豊富な製品ラインアップを有している。特にアメリカでは2019年に米国通信キャリアのVerizonで、Orbicの4Gスマートフォンの販売がスタート。その後も各国キャリアに納入しており、特にモバイルルーターでは、Verizonでの販売シェアの半分を占めている。
支社は生産拠点やデザインチームを含めてプエルトリコ、インド、台湾、中国、オーストラリア、日本、ドイツ、イギリスと各国にあり、グローバル企業として成長しているメーカーのひとつだ。
そのOrbicが、現在ターゲットとしている市場が日本。すでに日本法人も設立されており、年初にアメリカ・ラスベガスで開催されたCES 2023でも日本市場への参入が明言されている。今回のグループインタビューでは、Orbicの上級副社長でグローバルセールスとオペレーション担当のダニー・アダモポウロス氏より、あらためて日本市場参入についての説明がされた。
アダモポウロス氏は、現時点での日本投入端末について明言はさけたが「すべてのセグメントをみていますが、その中から適切な商品を用意したいため、2、3のセグメントに絞る予定」とのこと。
市場規模を考えるとスマートフォンやタブレットの投入が予想されるが、同社ではKaiOSを搭載したフィーチャーフォンもラインアップしており、アメリカのVerizonでも高いシェアとなっている。
日本でもいまだに2つ折りのフィーチャーフォンの人気も高く、日本のMVNOからフィーチャーフォンがあれば扱いたいという声もあるので、今後の展開によっては日本への投入もありそうだ。
また、アダモポウロス氏は日本市場に参入するにあたり「約1年間に渡ってパートナーを探し、物流やサービスセンター、コールセンターと契約を結んで準備しています」と、商品配送やアフターサービスにも高いクオリティーを求める日本市場に向けた対応も進めているとのこと。
とはいえ、Orbicが得意とするコストパフォーマンスの高いミッドレンジは、すでに日本市場でも多くのメーカーがオープンマーケットに参入しており、海外メーカーは苦戦しているところも多い。参入したものの数モデルで撤退というメーカーも少なくない。
アダモポウロス氏は2年前までモトローラ・モビリティ・ジャパンでの社長を勤めており、日本市場についても熟知している。今回のOrbicでの参入になにか秘策はあるかと尋ねたところ「あのときに多くを学びました。小売りチャンネルも重要ですが、MVNOチャンネルも重要だと考えていますので、それらのチャンネルを通じて展開していきたい」とのこと。
さらに「TwitterやYouTube、Facebook、LINなどのデジタルチャンネルでプロモーションを展開していきます。私がアニメキャラクターになるというのはどうでしょうか?(笑)」と、茶目っ気たっぷりに話していた。
Orbicでは、近いうちに日本での発表会を検討しているとのこと。新たなスマートフォンメーカーの日本市場参入に期待したい。
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