スマホにも水冷化の波がやってきた!
OnePlusは「MWC Barcelona 2023」で循環式冷却水を使うアクティブ冷却システムを採用したコンセプトスマホ「OnePlus 11 Concept」を発表した。
OnePlus 11 ConceptはSnapdragon 8 Gen 2を搭載したハイエンドモデル「OnePlus 11」の冷却性能をさらに高めるため、本体内に循環式の液冷システムを搭載したコンセプトモデル。市販化の予定は現時点では不明だ。本体内には工業用のマイクロポンプを内蔵し、冷却水を循環させる。ポンプのサイズは0.2立方センチメートル以下と小さく、OnePlus 11と同じ本体サイズ内に収納されている。
背面は「Clear Flow Cover」と呼ぶ美しい仕上げだ。カバーガラスで覆われており、その下に流れるように見えるラインのところは、実際に冷却水のチューブが配置されている。なお、ブルーの冷却水の循環エフェクトは背面部分だけではなくカメラの台座の周辺部分にも配置されている。
実際にベースとなったOnePlus 11とOnePlus 11 Conceptを比べてみると、両者の縦横サイズは変わらない。カメラ部分のデザインも変わらず、ボディー形状はそのままに循環水冷システムと透明パネルを搭載したのは、かなり高い技術が必要だったと推測される。
OnePlus 11 Conceptはコンセプトモデルのためスペックは非公開だが、参考までにベースとなったOnePlus 11はSnapdragon 8 Gen 2に6.7型3216×1440ドット、120Hz対応のディスプレーを搭載。カメラは5000万画素+4800万画素 超広角+3200万画素 2倍望遠で8K録画に対応するなどかなりの高スペックだ。
背面のClear Flow Coverからは冷却水の流れが実際に見える。ただし、説明員によると実際に製品化する際にはこのデザインとするかは未定とのこと。Clear Flow Coverはあくまでも水冷の様子をわかりやすく見せるために採用したデザインだという。
背面はライトの効果だけで本当に水が循環していないのでは? と疑ったが、背面に耳を近づけるとマイクロポンプが動く小さな動作音が聞こえてきた。この部分も製品化する際は動作音が外に出ないようにする必要があるとのこと。たしかに、この状態で動画を撮影すると音声にノイズが入ってしまいそうだ。
カメラ部分を見るとOnePlus 11にあった「HASSELBLAD」のロゴは見えない。開発モデルであることから、ハッセルブラッドとの協業カメラは搭載できないようだ。
ベースとなるOnePlus 11のサイズは約74.1×163.1×8.5mm、重さは205g。展示されていたOneplus 11 Conceptの厚みと重量を計測することはできなかったが、厚みはほぼ同等に感じられた。重量はおそらくOnePlus 11より増していると思われる。
ゲーミングスマートフォンの多くは多層の冷却板や水冷パイプの内蔵、外付けや内蔵空冷ファンなどにより冷却性能を高めている。しかし、スマートフォンのチップセットに搭載されるCPU、GPU、NPUの性能がさらに高まるにつれ、パフォーマンスを限界まで引き上げるためには、ゲーミングPCのような水冷システムがこれから求められるのだろう。
Oneplus 11 Conceptの発表で、ほかのゲーミングスマートフォンメーカーも水冷システムの開発を進める時代が来るかもしれない。
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