週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

マルチベンダー対応の重機遠隔操作装置「ModelV」など開発、建設DXのARAVが4億円の資金調達

2023年03月08日 17時45分更新

 ARAVは3月8日、シリーズAラウンドにおいて総額4億円の資金調達を実施したことを発表した。本調達は、東京大学協創プラットフォーム開発を引受先とする第三者割当増資と日本政策金融公庫、商工組合中央金庫からの融資によるもの。

 同社は、ソフトウエア制御、ロボット工学などの技術とそれらを実装するインテグレーション力を活かして、建設機械をはじめとした各種機械・装置の遠隔操作・自動運転ソリューションを開発している。また、建設現場のDXを促進し、研究・開発・実証実験を通じて収集・解析されたビッグデータを活用することで、現場が抱える様々な問題を解決していくことを目指している。

 同社が開発したマルチベンダー対応の遠隔操作装置「ModelV」は、建機のメーカーに縛られず、後付けで取り付けができるもので、市販されている建機の84%に対応が可能だという。すでに、40社以上と共同実証実験を行なっており、提供台数増加に向けた生産体制強化を段階的に進めている。

 また、人が搭乗する機械の運転席を要素分解し、各項目が通信可能なAPIを付加するMachine Gateway Hubを開発。ModelVのようなマルチベンダー対応の遠隔装置を普及させるとともに、他社アプリと接続可能なオープン・プラットフォームとなることで、建設・土木業界のみならず、遠隔・自動化ニーズのあるさまざまな分野の機械・機器への展開を進めていく。

 さらに、建機等の大型機械の実証実験のリスク低減を目的に、建設機械および現場環境を再現するシミュレーター開発技術を活用する国内初の建機オープンソースという開発エミュレーター「OCS : Open Construction Simulator」を公開。独自のプラットフォームを中核に、各社の開発環境も支援するオープン・クローズ戦略をとりながら、社会・業界の課題解決に貢献していくという。

 今回の資金調達により、本格的な量産製品の開発・サービスの立ち上げに加えて、自社プラットフォーム技術を横展開し、建設・土木業界と同じく、人材不足等の課題を抱える海運、林業、除雪、農業、港湾等の他業界のDX促進へと広げていく予定だとしている。すでに、海運業界ではOCSの知見を生かした船舶シミュレーターのリリースが予定されている。

■関連サイト

「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」配信のご案内

ASCII STARTUPでは、「ASCII STARTUPウィークリーレビュー」と題したメールマガジンにて、国内最先端のスタートアップ情報、イベントレポート、関連するエコシステム識者などの取材成果を毎週月曜に配信しています。興味がある方は、以下の登録フォームボタンをクリックいただき、メールアドレスの設定をお願いいたします。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう