ソニーセミコンダクタソリューションズは3月6日、業界最高の光子検出効率を実現するという直接Time of Flight(dToF)方式のSPAD距離センサー「IMX611」をスマホ用に商品化したことを発表した。サンプル価格は1000円で、3月中に出荷を開始する予定。
一般的にSPAD(Single Photon Avalanche Diode)画素は、光源から対象物に反射して戻ってくるまでの光の飛行時間を検出することで距離情報を取得する、dToF方式の受光素子の一つとして活用されている。
本製品は、センサーに独自のSPAD画素構造を採用することで、業界最高という28%の光子検出効率を実現。これにより、光源から対象物に反射して戻ってきた微弱な光子でも検出が可能になることで、対象物を高精度に測距できるという。また、光源となるレーザーの出力を抑えても高い測距性能を実現できるため、スマホのシステム全体の消費電力削減が可能だとしている。
本製品は被写体との距離を正確に測定できるため、視認性の悪い低照度環境におけるオートフォーカス性能の向上や、被写体の背景のボケ処理、広角カメラや望遠カメラのシームレスな切り替えなどに活用できる。また、3次元空間認識、ARオクルージョン、モーションキャプチャー・ジェスチャー認識などが可能になり、VRヘッドマウントディスプレーやARグラスの機能進化にも貢献するという。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります