桐蔭学園、東急、東急電鉄、横浜市の4者は、2月11日に、ペロブスカイト太陽電池の先行実証実験を東急田園都市線・青葉台駅正面口改札前自由通路にて実施する。商用化に向けて開発が進められている同電池が、駅という公共空間において実証実験が行なわれるのは日本で初めてとしている。
ペロブスカイト太陽電池は、桐蔭横浜大学特任教授 宮坂力氏が開発した、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造の材料を用いた新しいタイプの太陽電池。アメリカ国立再生可能エネルギー研究所の最新データでは、シリコン太陽電池に匹敵する25.7%という高い変換効率が報告されているという。
既存の太陽電池よりも低いコストで製造が可能で、薄型・軽量で、建造物の曲面や垂直面といったシリコン太陽電池では困難なところにも設置できるという特徴がある。また、シリコン太陽電池と異なり、曇天や雨天時、室内光のような弱い光のもとでも発電が可能。
本実験では、青葉台駅正面口改札前自由通路の天窓下において、東芝が作製した大面積(703平方センチメートル)のフィルム型同電池を用い、屋内での発電の実証実験を実施する。本実験を通じて、同電池の性能を確認し、既存建物、駅、車両、高架橋などへの同電池の設置など、将来の活用方法を検討するという。実施時間は10時~16時。
また、青葉台駅徒歩3分に位置するスプラス青葉台で同日に開催される脱炭素プロモーションイベント「田園都市からはじめる ゼロカーボンフェスタ」にて、研究用の同電池を用いた展示などを展開。
発電した電気でプロペラを回す、鉄道模型(Nゲージ)を動かすなどの同電池の特徴を実感する場を作るとともに、同電池に関連するパネル展示や同電池の開発者である桐蔭横浜大学特任教授宮坂力氏による同電池の将来的な可能性についての講演を実施する予定だ。
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