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私→WRC

第35回

RQの荏崎ろあがメカニック視点で振り返るラリージャパンの過酷さと達成感

2023年02月11日 15時00分更新

世界の大舞台で表彰台に!
最高の思い出となったDAY4

 そして、いよいよ最終日DAY4です。早起きも今日で最後。15分間のサービスGは7:45イン予定なので、スタジアムに着いたらさっそく準備に入ります。サービスはこれまで通り誘導から入り、ウマをかけてタイヤの交換をします。

全日本ラリーでもラリージャパンでも早水チーフメカにたくさんのことを教わりました

 この日は午後から雨予報なので、装着するタイヤやスペアタイヤの種類や本数をチームミーティングで決めます。結果、装着するタイヤはフロントがソフト、リヤがウェット、スペアにウェット2本積みの指示がありました。

 今回のラリージャパンでは初の雨が予想されるので、最後のサービスの緊張感は、ここ数日で1番でした。もうこのサービスを終えたら、ラリーフィニッシュまで車両を整備する機会はないので……。サービスの間は本当に多くの人が集まっていましたが、誰1人声を発することなく真剣に作業を見守ってくれました。

 レースクイーンの私をいつも応援して下さってる方も来て、車両出発後はミニ撮影会も開催してくれてうれしかったです。RQじゃない時の私も応援してくれるファンの皆さんには感謝でいっぱいです。

これは夜の写真ですが、昼間もたくさんの方が応援しにきてくれました!

 さて、最終日はSS15からSS19までの5本です。SS15/19は旭高原元気村で、SS16/18は岐阜県恵那市、SS17は中津川市の根の上高原です。元気村のリグループでクルーにランチを届けるためチームスタッフが出張するので、私も同乗して向かいました。

 ここまでずっと天気が良かったのですが、最終日はやはり生憎の雨でした。そんな中でも観客がたくさんいて、特に地元の家族連れが多いのが印象的でした。こうやって無料で観戦できるスポットがあると、規則が分からなくてもモータースポーツに触れることができるため、知ってもらえる良い機会だなと思いました。

 そしてリグループの間に無事クルー2人と合流ができて昼食を渡すことができました。中々ラリーの間はドライバーと話す時間がなかったのですが、長時間集中した状態が続いているうえに、食事や飲み物も制限されてしまうためクルーは本当に大変だなと改めて感じました。

 サービスに戻って撤収の準備を進めていると、16:00頃に梅本選手から最後のSS19を完走したとの連絡があり、初WRC完走に私もチームの1人としてとても感動しました。そのあとは豊田スタジアムのポディウムでセレモニアルフィニッシュがあるので、急ぎ撤収作業を進めます。ウェルパインモータースポーツを応援してくれる皆さんも、撤収作業を手伝ってくださり、ウチはファンから愛されてるチームだなと実感しました。

 セレモニアルフィニッシュの時間になったのでスタジアム内に向かうと、なんとチームスタッフはポディウム近くまで入れるとのこと。208R2がポディウムに登ると、「さぁ、オレたちもいこう!」と監督に言われて、なんと私もチームの一員としてポディウムに登らせてもらえました。

世界の大舞台でポディウムに乗れるなんて!

 結果として総合27位、クラス3位という成績で、私は走ってはいないけれど、自分が整備したマシンと一緒に表彰されるのは本当に感動しました。表彰の際に司会のピエール北川さんが「SUPER GTのレースクイーンもやってメカニックもやってるんですよ」と私の話題にも触れていただきありがたかったです。

 愛知/岐阜では初開催となった12年ぶりのWRCラリージャパンは、これまで全日本ラリーしか経験していなかった私にとっては何もかも新鮮でした。初めは尻込みしてやりたくないと言っていましたが、また1つ自分の中で成長できた気がしました。世界選手権でのメカニックの経験は本当に大変なこともありましたが、誰でも経験できることではないので、今回経験することができて良かったです。

 とはいえ、1人では何もできなかったので色々教えて下さった監督やほかのメカニック、チームスタッフの皆さんには感謝でいっぱいです。

今回のメカニックチームです。左から早水チーフメカ、本業はメディアだけどお手伝いしてくれた真鍋さん、一番右が和田メカニック

 また、この記事や私きっかけに、多くの方々(特に同世代!)にモータースポーツを知るきっかけになれたら良いなといつも思っています。

 2023年も、レースクイーン兼メカニック荏崎ろあの成長を見守って応援してくださいね!

レースクイーンの瀬谷ひかるちゃんと別れを惜しんで……

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