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中の人がエシカルとサステナブルを熱く語る! FCNTのスマホ「arrows N F-51C」のイベントを開催

2023年02月09日 10時00分更新

 FCNTが開発したサステナブルスマートフォン「arrows N F-51C」が、いよいよ2月10日にドコモから発売される。電気電子部品を除く部品総重量の約67%をリサイクル素材が占め、工場での製造工程でも再生可能エネルギーを用いるなど、徹底的に環境に配慮されたモデルだ。

 発売に先駆けて、2月7日にドコモショップ丸の内店にて「arrows N 新商品体験&トークセッション」が開催された。arrows Nの企画・開発に携わった人がarrows Nへの熱い思いを語り、いち早く実機に触れられるタッチ&トライも開催された。

※初掲出時、人物名に誤りがございました。訂正してお詫びいたします。

FCNTでarrows Nの開発に携わった外谷一磨氏(右から2人目)と荒井厚介氏(右から1人目)のほかに、arrows Nを販売するドコモ プロダクト部長の松野 亘氏(左から2人目)、エシカルに特化したサイトや店舗を運営し、この日からFCNTとの協業を開始したGabのCEO 山内萌斗氏(左から1人目)もゲストとして登壇した

FCNTの田中社長がarrows Nをアピール

あ イベントでは、まずFCNTの代表取締役社長の田中典尚氏が登壇。FCNTは2月1日に創立7周年を迎えたが、「昨年は富士通時代に携帯電話事業を始めてから30周年、arrowsを世に出してから10周年という節目の年だった。これまで 、誰一人取り残さないデジタル社会の実現に向けて、いろいろなサービスを提供してきた。新たに、サステナブルな社会の実現に向けて、arrowsブランドをリューアルし、その象徴的な商品として、arrows Nを開発した」と述べた。

FCNT 代表取締役社長の田中典尚氏

先進的なarrowsのDNAを受け継ぎ
いち早くサステナビリティに着手

 続いて、FCNTのプロダクト&サービス企画統括部の外谷一磨氏から、FCNTのサステナブルへの取り組みについて説明された。

FCNTのプロダクト&サービス企画統括部 プリンシパルプロフェッショナル 外谷一磨氏。事業企画とアライアンスを担当している

 「富士通時代からの30年を振り返ると、早すぎると揶揄されながらも、いろいろな挑戦を重ねてきた。当時は早すぎたとしても、今では当たり前になっていることもある」。FCNTは、そうしたDNAを受け継いでおり、これからすべきことを考えて、サステナビリティにたどり着いたという。

Fのケータイ・スマホは先進的な新機能を搭載して注目されることが多かった。そうしたDNAが、サステナビリティへの大きな一歩を後押しした

 サステナビリティは社会全体で取り組んでいくべき課題だが、携帯電話業界ではまだ本格的な取り組みが始っているとは言えない。「携帯電話はイノベーションを牽引する存在で、我々の生活に欠かせない存在。誰かが始めないと、周りが着いてこない」という思いで、プロジェクトがスタートしたという。

携帯電話によるCO2排出量、廃棄量は意外に多い。廃棄量は東京ドーム1杯分くらいに相当すると思われる

 FCNTがいち早く環境に配慮したスマホを開発できた理由について、外谷氏は「FCNTは国内に製造拠点を持ち、小ロットでもお客様のニーズに合った商品を開発できる機動力がある」と語った。

 arrows Nは、環境に配慮された工場でリサイクル材を使うなど、現段階で実現可能な基準が設定されて開発されたが、FCNTが目指すサステナブルは、さらに大きなもの。「作って売って終わりではなく、お客さまが使い終えたものを、さらに循環させるサーキュラーエコノミーを形成したい。そこまで考えて商品を開発する決意を固めている」と言う。

リサイクル材を使ったスマホを作るだけではなく、使い終えたスマホの部品を再利用する循環を作ることをめざすと言う

FCNTでは、2023年中に国内で製品を製造する際の使用電力を再生可能エネルギーに置き換えていく予定

2025年には、arrowsだけでなく、らくらくスマートフォンも含め、全機種に環境に配慮した素材を用いる計画だ

 「サステナブル性能をスマートフォンの新たな競争軸にしたい」と言う外谷氏。そのためには、FCNTだけでなく、携帯電話業界全体での取り組みを進める必要がある。「FCNTはその指針を示す役割を担いたい」と言う。

携帯電話業界におけるサステナビリティの指針を示す矢(arrows)になることがミッション

約67%の再生材使用率を実現。さらに、基本性能も強化

 続いて、FCNT プロダクト&サービス企画統括部の荒井厚介氏から、arrowsブランドのリニューアルの背景と、arrows Nの商品特性について説明された。

FCNTのプロダクト&サービス企画統括部 プリンシパル クリエイティブ プロフェッショナル 荒井厚介氏。クリエイティブとプロダクトマーティングを担当されている

 荒井氏はarrowsのリブランディングの背景に、「社会の変化」と「提供価値の変化」があると説明。「社会の変化」は、生活のデジタル化、働き方の変化、地球環境の変化。もう1つの「提供価値の変化」は、昨年から開始したユーザー向け会員サービス「La Member's」など、商品を作って売るだけでなく、売った後に提供するサービスも重要になってきているという。

FCNTは製品だけでなく、サービスやコンテンツの提供にも注力しつつある

 新しいarrowsの最初のプロダクトとして開発されたのがarrows N。サステナビリティをテーマとする環境に配慮したスマホだ。

 背面パネルだけではなく、内部の小さな部品にもリサイクル素材を使い、ディスプレーやバッテリーなどの電気電子部品を除く約67%のリサイクル素材使用率を実現。パッケージにも環境に配慮されたFSC認証の紙とバイオマスインキを使用するなど、徹底したサステナビリティを実現している。

arrows Nには再生プラスチックと再生アルミニウムを使用

再生材の使用率は部品によって異なり、全体では約67%を実現。FCNTの従来モデルでの再生材使用率はほぼ0%だったと言う

再生材を用いた部品

 ただ、環境に配慮された素材を使うだけではなく、基本性能も充実させている。特に力を入れたのがカメラで「今までで最も良いカメラを搭載しています。ミドルハイの前機種・arrows NX9と比べて約1.65倍のセンサーを搭載し、スーパーナイトモードで夜景もより鮮明に撮れるようになりました」と自信を見せた。

arrows Nは1/1.5インチの大型センサーを搭載

スーパーナイトモードによって、ハイエンドモデル並みに美しい夜景が撮れることも訴求

 リサイクル材を使いながら、防水・防塵、耐衝撃など、arrowsの特徴である堅牢性は堅持。新たにクノボ社の技術を採用することで、電池の劣化を抑えて、4年間のロングライフを実現した。OSのアップデートは最大3回、セキュリティーパッチのアップデートは最長4年提供される。これは、FCNTのスマホとして過去最長のサポートで、おそらく国内メーカーでも最長の対応だと言う。

クノボ社の充電技術を採用し、電池が長持ちするようになったことも利点

幅広い分野のパートナー企業と協業

 会場には来られなかったFCNT 執行役員常務 櫛笥直英氏はビデオレターで出演。プロセッサーに、クアルコム社のSnapdragon 695 5Gを採用したことを話し、クアルコムジャパン社長の須永順子氏のビデオレターにつなげた。

FCNT 執行役員常務 櫛笥直英氏はビデオで出演し、パートナー企業との取り組みを紹介

クアルコムジャパン 代表社長 須永順子氏。「6nmプロセスで製造されたSnapdragon 695は低消費電力を実現。バッテリーが長く持続し、環境配慮につながる」と、arrows Nに適したチップセットであるとアピール

 櫛笥氏は、arrows Nが、多くのパートナーの協力によって製品化を実現できたことも紹介。その中から、再生プラスチックを提供したSABICの桐山雅史氏からのビデオレターが紹介された。

arrows Nの開発にあたり、協業した企業を紹介

SABIC Specialties事業部、SHPPジャパンの桐山雅史氏

SABICはサウジアラビアに本社がある総合化学製品メーカーで、世界50ヵ国以上に拠点がある。日本では東京に本社、栃木県真岡市に工場がある

再生プラスチックに使われたものは、タッチ&トライコーナーに展示されていた。ペットボトル、自動車のライトカバー、CDケースなどが使われているという

 続いて、arrows Nを販売するドコモ、FCNTと協業してエシカルな事業に取り組むパートナーからのビデオメッセージが紹介された。

ドコモ プロダクト部長の松野 亘氏は、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを説明し、arrows Nをその取り組みの一つと位置付けていると語っていた

「カボニューレコード」アプリは、arrows Nにもプリインストールされている

アドビ 常務執行役員 兼 CMOの里村明洋氏は、アドビのアプリによるペーパーレス化の実現や、エシカルの普及に向けた協業を行なっていくことを発表

伊藤忠商事 通信ビジネス部長 石田 亘氏は、オランダのClosing The Loop社と協業し、廃棄物保証サービスを提供する取り組みを紹介

「E-waste Compensation」というプログラムで、具体的には、arrows Nが1台売れると、アフリカで不当に廃棄され、環境汚染や健康被害をもたらす原因となっている携帯電話1台がリサイクルされる仕組み

オランダのClosing The Loop社のJoost氏からも、FCNTの取り組みに期待するメッセージが寄せられた

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