日産自動車と日立ビルシステムは1月27日、電気自動車からの給電で停電時のエレベーターを稼働する実証実験を行なったと発表した。
高層ビル・マンションなどでは停電時にエレベーターなどの共用部設備が使用できなくなる事態を回避するため、非常時電源として蓄電池などを整備する動きが進んでいるが、導入コストなどが課題となっている。日立ビルシステムは、電気自動車の普及により、ビルの非常時電源として活用できる可能性が広がっていくことを見据え、停電時に電気自動車と建物をつなぐV2X技術により、電気自動車から、エレベーターなどのビル設備に給電を行ない、継続利用を可能とするシステムを開発。2023年中の実用化に向けて準備を進めている。
また、日産では電気自動車活用による社会変革や地域課題の解決を図るべく、2018年から「ブルー・スイッチ」活動を推進しており、全国の自治体や企業・団体など、さまざまなパートナーと共に取り組みを行なっている。
今回の実証実験では、軽電気自動車「日産サクラ」(バッテリー容量20kWh)と日立標準型エレベーター「アーバンエース HF」をV2Xシステムで繋ぎ、エレベーターの連続昇降回数は263回(往復)で日産サクラのバッテリー残量は100%から46%となり、10時間連続にてエレベーターを稼働可能なことを実証した。なお、同条件で「日産リーフe+」(バッテリー容量60kWh)を用いてエレベーターの10時間連続稼働させた場合の理論値は、連続昇降回数263回(往復)でバッテリー残量100%から72%となる。
今後、電気自動車のバッテリー残量のリミットまでの長時間連続稼働の実証実験を行なうとしている。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります