みなさんこんにちは。2024年の3月に迎える30周年に向けて、これまで実施してきましたさまざまなプロジェクトが、どのように誕生したかというプロセスを、ご紹介していく「ラー博にまつわるエトセトラ」。
2022年7月より、過去にご出店いただいた約40店舗の銘店を2年間かけて、3週間のリレー形式で出店していただく「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」と、11月7日より、1994年のラー博開業時の8店舗(現在出店中の熊本「こむらさき」を除く)が、3ヶ月前後のリレー形式で出店する「あの銘店をもう一度“94年組”」がスタートしました。おかげさまで大変多くのお客様にお越しいただいております。
前回の記事はこちら: あの銘店をもう一度第10弾 日本一熱い鍋焼きラーメン? 高知・須崎「谷口食堂」
過去の連載はこちら:新横浜ラーメン博物館のウラ話
第11弾は、博多「一風堂」河原成美氏の一番弟子である中坪正勝さんのお店「麵の坊 砦」さん。ラー博史上初の店長(一風堂)と店主(麵の坊砦)を務めた方です。出店期間は2023年1月31日(火)から2月20日(月)。
「麺の坊 砦」を語るうえで店主中坪正勝さんの歴史を紐解かないとはじまりません。 中坪さんは1968年富山県富山市生まれ。幼いころからラーメンが好物で、ラーメンの食べ歩きで福岡へ行った際、一風堂の味に惹かれ、その門をたたきました。1987年(昭和62年)の事でした。今や世界200店舗以上ある一風堂もこの時は博多に1店舗しかありませんでした。
一風堂で修業をはじめ6年が過ぎた1993年、一風堂創業者・河原成美さんに連れていかれたのが開業前の新横浜ラーメン博物館でした。中坪さん曰く「一風堂が新横浜ラーメン博物館に出店するテレビの密着があり、とんとん拍子でラー博店の店長をやることになりました。自分としては中々ない機会だから、ここで3年頑張って独立しようと思いました」とのことです。
1994年3月6日、世界初のラーメンのフードアミューズメントパーク・新横浜ラーメン博物館がオープン。予想をはるかに上回るお客様が来館され、中坪さんは昼夜を忘れてがむしゃらに働きました。
そして中坪さんが32歳になった2000年の時、「21世紀は自分で店をやりたい」と独立の意思を伝えたところ、河原さんから「俺が一風堂を始めたのが32歳だったし、そろそろ良い頃やね」と、ついに独立を認められたのです。
そして2001年10月11日、東京都渋谷区の神泉に「麺の坊 砦」は創業しました。
屋号の名付け親は、師匠でもある河原成美氏。
「いま居る処が最後の砦 そして すべての始まりなんだ がんばろうぜ」。
中坪さんが目指したのは、女性一人でも安心して食べられるような店づくり。広々と開けた通り沿いに店を構え、清潔な店内、女性を意識した内装を心掛けました。さらに、お子様連れの女性でも気持ちよく利用できるよう、ベビーカーや車椅子の方でもゆったりとできるよう店内を広くし、トイレもお母さんと子供が一緒に入れる広さにしました。
このようなコンセプトから「麺の坊 砦」は清潔で落ち着いたお店という口コミが広がり、女性客比率が6割を超えています。
そして2011年4月17日、「麺の坊 砦」がラー博にオープンしました。ラー博で店長(一風堂)と店主(麺の坊 砦)を務めたのはラー博史上初のことです。
「麺の坊 砦」のラーメンは師匠でもある一風堂・河原さんの教えを忠実に守り、その濃厚スープを継承しつつオリジナリティを加えた味わいは、中坪さん独自の味わいです。
20時間煮込んだスープは臭みが少なく、旨味が凝縮されたクリーミーなとんこつラーメン。スープの濃度を上げることで濃厚さを出しているため、油分が少なく、女性からも多くの支持を受けています。
麺は本店のすぐそばにある製麺所で作られ、その日の気温や湿度によって配合を調整し、日々の微妙な変化にも対応しています。博多らしく、極細のストレート麺で、替玉必至です。
チャーシューは2日間煮込み余分な脂を飛ばします。香りの高い海苔、養鶏所直送の玉子も安心して、おいしく口にできる具材を選んでいます。
とんこつもさまざまな種類がありますが、脂に頼らない濃厚でクリーミーなとんこつがお好きな方にはぜひおすすめしたいです!
次回は銘店シリーズ第12弾 飛騨高山「やよいそば」さんについて発表させていただきます。
お楽しみに!!
新横浜ラーメン博物館公式HP
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