メタバースについて
浜村氏は、サブスクリプションサービスと同じくらいゲーム産業で注目度の高いメタバースを挙げ、一歩先を行くメタバースとして「Roblox」について触れた。とくに注目なのが、没入型広告の導入。
例えば、自分の作ったゲームをメタバースの空間のなかで友だちに遊んでもらうだけでなく、広告化、収益化もできるという。「Roblox」には前向きな意見が多数寄せられているという。
そんななか、メタバースの標準規格を決めようという動きも。大手ゲーム企業もこの標準規格を作る組織に参加していて、実のともなった議論がされていくのではと浜村氏は期待しているようだ。
ブロックチェーン
ブロックチェーンは、個々の取り組みが進んでいるけれども、この9月にはゲームに特化したブロックチェーンプロジェクト「Oasys」に、21の初期バリデータの一つとして、スクウェア・エニックスの参加が発表された。
バリデータとは、ブロックチェーンのネットワークに接続し、チェーン上の取引が正しいかを検証するノード(コンピューター端末)またはその運営者のこと。運営者は検証により報酬を得る仕組み。
すでにバンダイナムコ研究所やセガ、ユービーアイソフトといったゲームメーカーも参入してきているということで、実を伴った議論が進むのではと浜村氏。
ただ、ブロックチェーンの国内の動きはかなり厳しいとも。業界団体が動いているけれども、まだまだ議論が必要とのこと。人に装備などを貸して、そのときに貸した人が得た経験値などから報酬がもらえるといったスカラーシップ制度という方式も出てきているが、普及の鍵を握っているのはゲームデザイナーのアイデアではないかとも語った。
eスポーツについて
世界のeスポーツの市場規模は、20年には9億9600万ドル、21年には11億3600万ドル、22年には13億8400万ドルということに。コロナの時期にリアル大会が開催されず、スポンサー協賛が世界中で減少して停滞気味だったが、ここから一気に上がって、2025年には18億6600万ドル、3年間で1.3倍以上の成長が期待が持たれていることが発表されているという。
日本の国内のeスポーツ市場はコロナの影響で少し低迷しているように見られるが、21年になってからはリアル大会が開催されるようになっており、今後3年間の伸びしろで言うと世界の数字よりも大きい数字が期待されるとのこと。これは日本がeスポーツにおいては後進国なので、そのぶん伸びしろが大きいのではないかとのことだった。
さらに、eスポーツの大会やチームの価値を明確化する動きも出てきたという。今年の東京ゲームショウにて、eスポーツ連合が日本eスポーツアワードを実施することを発表。まだ詳細は決まっていないが、来年からこの取り組みは実施される予定だ。
eスポーツでとくに人気のタイトルは『VALORANT』。世界では『リーグ・オブ・レジェンド』などの陣地を取り合うMOBAが人気だが、日本ではZ世代を中心にシューター系の人気が高くなっているという。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります