週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

街乗りでも本当に効く? シビック TYPE Rの純正アクセサリーを群サイで試す!

2022年12月25日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

サーキットユースではなく、街乗り用です
ホンダアクセスの中の人に根掘り葉掘り聞いた

商品企画部デザインの深尾なつみさん(中央)、ホンダアクセス開発部AD4ブロックの山崎純平さん(右)

 そこで開発を担当されたホンダアクセス 開発部 AD4ブロックの山崎純平さんと、商品企画部デザインの深尾なつみさんのお2人にお話を聞くことにしました。当然最初は「これはニュルアタック用にパーツなんですよね!」と直球質問。すると山崎さんから意外な答えが返ってきました。「いえ、一般道を気持ちよく走るために開発しました」。こんなに大きな羽根なのにサーキット用アイテムじゃないだと?

開発時に使用したリアスポイラー

 「このテールゲートスポイラーは、グランドツーリングカーらしい高速域でのさらなる直進安定性と、FRのような一体感ある乗り味。いかなる路面状況でも安心して楽しめ、運転が上手になったように感じるように設計しました」というではありませんか。その話を聞きながら、以前、FL5型シビック TYPE Rの開発責任者である柿沼さんから「このシビック TYPE RはRacingだけでなく、GTカーのような快適性や上質感も視野にいれている」という説明を受けたことを思い出しました。つまり「長距離ドライブをファンなものにする」のが、このテールゲートスポイラーの開発目的なわけです。

開発時に使用したスポイラーを見ながら、説明を受ける唯さん

 ホンダアクセスは長年にわたり「実効空力」という空力コンセプトを掲げています。これは接地荷重を4輪均等にすることで、安定感を得るというもの。当然、このテールゲートスポイラーにも、その考えに基づいているそうで、「本当は前側(フロントバンパー)もやりたかったんですけれど」と山崎さんは前置きしながら「シビックTYPE RはFFですから、もともと前荷重気味になります。よってリアスポイラーを大型化すれば、4輪に均等した接地加重を得ることができます」なのだそう。

リア側を持ち上げ、ガーニーフラップを形成

 それではリアスポイラーの細かな部分について話をうかがいましょう。深尾さんによると、主に3つに分けられるのだとか。「まず中央のメインエレメント部ですが、断面はNACA4412をベースに、ガー二―フラップを取り付けて、さらなる直進安定性と得ています。両サイドの下がっている形状は、直進性と旋回性の両方に寄与します」とのこと。

サイドプレート(翼端板)

ドアミラー付近のAピラーの角度とサイドプレート(翼端板)の角度を併せることで、空力効果を高めているという

真後ろから見ると、ウイングがHに見える

 「サイドプレート(翼端板)は、Aピラーの角度と合わせています。また、後ろから見た時にH型になりますから、Hondaのクルマという存在感を与えています」だとか。

裏側にはノコギリ歯のような形状(シェブロン形状という)の実効空力デバイスが取り付けられている

実験で作成したシェブロン形状の実効空力デバイス

実効空力デバイス

 裏側には、ノコギリ歯のようなものが。「これはシェブロン形状という実効空力デバイスです」とのこと。シェブロン形状の話については、こちらの記事をご参照頂ければと思います(「ヤバい、やりすぎだ……」新型シビック TYPE R用純正アクセサリーを総チェック!)。

 設計は風洞やコンピューター解析の研究で得たものをベースに、実際に走行しながら微調整を繰り返したのだとか。「実際に私も走りながら、現場でモックを削ったり、パテで盛ったりして、また走りました」と、デザイナーである深尾さんも走り込みに参加したのだとか。こうして関係者全員が納得したモノが、このテールゲートスポイラーなのだとか。こうした空力パーツは高速域なら効果は実感できますけれど、はたして一般道ではどうなの? という疑問が。山崎さんによると「測定では80km/hから変化が現れますが、実際はもっと低速でも違いを感じることができます。人間の感性はセンサーよりも精度が高いんです」とのこと。それでは論より証拠ということで、走って試すことにしましょう。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事