週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

「神ジューデンはシャオミだけ!」トップに聞く2023年シャオミの日本戦略

2022年12月19日 19時30分更新

ソフトバンク銀座店のイベントに参加したスティーブン・ワン氏

 12月16~18日までの3日間、シャオミは19分で満充電できるという「神ジューデン」スマートフォン、「Xiaomi 12T Pro」の発売記念イベントをソフトバンク銀座店で開催した。

 店頭ではXiaomi 12T Proの実機を並べ、目の前でみるみる充電される急速充電の体験デモなどが行なわれた。また17日にはシャオミジャパン代表兼シャオミ東アジア担当ゼネラルマネージャーである、スティーブン・ワン氏が来店し、来客たちと積極的に談話や意見交換を行った。筆者もそのうちの1人としてショップを訪問し、せっかくなのでいくつか話を聞いた。

──メーカーのトップが一般ユーザーと直接対談する今回のイベントに参加し、どのように感じましたか?

ワン氏 多くの人たちからダイレクトに話を聞くことができ、非常に有意義な体験だった。シャオミファンの方々も多数来店していただいて様々な意見を聞くことができたし、また一般のお客様たちが実際に製品を手に取ってどんな反応をしてくれるのか、その姿を見ることもできた。

 メーカーが新製品の開発を行なう際、コストや歩留まりなど製造プロセスの様々なことを考えるのは当然のことだ。しかし、最も重要視しなくてはならないのは顧客がどのような製品を求めているかというニーズをキャッチし、それを製品に反映させること。実は自分自身、実際にショップを訪れ、販売スタッフに声をかけて状況を聞くことはよくしている。それは販売現場から顧客の生の声が聞けるからだ。

 実は今回のように、SNSで大々的に私が来店するということを告知したのははじめてのこと。多くの知見を得られたこともあり、今後再びこのような機会を設けたいと考えている。

店の中ではなく店頭でのイベントであり、来客も気軽に立ち寄よることができた

──神ジューデン機能(120W)に加え、2億画素カメラを搭載するXiaomi 12T Proは他社製品と比べても十分な性能を持つハイエンドモデルです。2022年の日本での活動を振り返ると価格を抑えたRedmiシリーズに注力していましたが、これからはハイエンドも積極的に日本で展開していくのでしょうか?

ワン氏 Redmiシリーズはコストパフォーマンスが高く、手軽に誰もが買えるモデルであり、ある程度の販売数を見込める製品だ。日本で販売数を増やすために、これまで積極的に展開してきたが、弊社はハイエンドモデルも海外で多数展開している。しかも性能の高さだけではなく、Xiaomi 12T Proのように優れた技術を搭載した製品もある。そのような優れた技術を日本に紹介することで、シャオミのブランド認知度を拡大していこうと考えている。

 特に他社にない技術をアピールすることで、たとえば「神ジューデンといえばシャオミ」のように、日本の消費者の方々にシャオミの特徴を理解してもらい、認知度を高めていきたい。Xiaomi 12T Proは弊社のイメージアップにつながる製品になると期待している。

わかりやすい「神ジューデン」で他社との差別化を図る

──今年の初めのころ、シャオミの製品を扱う「シャオミストア」を日本でも展開したいという話があったが、進捗はどうでしょう?(シャオミストアが日本上陸か!? シャオミのGMが語る2022年の日本戦略

ワン氏 シャオミストアはぜひ展開したいと考えている。しかしストアを出すからには多数の製品を展示・販売する必要があり、海外でも展開しているIoT製品を含め、シャオミのエコシステムを紹介できる店舗にしたい。とはいえ、認証を取る必要がある製品などもあり、引き続き準備を進めている段階だ。またスマートフォンに関しては日本ではキャリアから購入する消費者も多く、自社ストアでの扱いをどうするか、といった点も調整が必要だろう。いずれにせよ今はスマートフォンのラインナップを増やし、シャオミの認知度を高めていこうと考えている。

ワン氏もお気に入りのXiaomi 12T Pro。今後もスマートフォンラインナップを増やしていく

──つい最近、筆者(山根)は台湾を訪問し、シャオミストアを訪れていくつかの製品を買いました。シャオミはIoT製品以外にもバッグや文房具なども出していますが、認可などのいらないそれらの製品だけでも日本で買えるようになりませんでしょうか?

ワン氏 台湾に進出したのはたしか10年くらい前だった。今では台湾各地に店舗を構えているが、当初から今の姿があったわけではなく、長い時間をかけて今のように現地の方に認知されるようになった。日本でのストア展開もある程度のスパンがかかるかもしれないが、準備を進めているのでお待ちいただきたい。以前もお話ししたが、ストアインストアのような形から始めることも検討の中に入れている。

筆者(山根)が12月に訪問した台湾のシャオミストア

【まとめ】来年はハイエンドも投入し
日本市場に攻勢をかけるだろう

 ワン氏とはこれまでシャオミが新製品を出すたびに何度かインタビューさせていただいたが、いずれもオンラインであった。今回は直接話が聞けるということでソフトバンクショップを訪問したが、到着したころにはすでに何名もの人が同氏と会話を待っている状況だった。これはシャオミに対して期待を持っている人が少なからずいることの表れだろう。

 Redmiシリーズでミドルレンジ市場での足場を固めつつある今、次のステップとしてグローバル市場(中国以外の海外市場)で最上位となるXiaomi 12T Proを日本仕様で投入したのはいよいよ上位モデルでも攻略をかけようとするシャオミの攻めの姿勢と見ることもできる。シャオミの来年の日本展開が楽しみだ。

雑談を交えつつ、時には真剣に話をしてくださった、スティーブン・ワン氏

■関連サイト

山根博士のオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう