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2億画素カメラと「神ジューデン」のインパクトが光る「Xiaomi 12T Pro」

2022年12月17日 12時00分更新

19分でフル充電をうたう「神ジューデン」の実力は

 続いて、19分で満充電にできる「神ジューデン」とうたわれている急速充電機能を確認してみよう。Xiaomi 12T Proは5000mAhのバッテリーを搭載しており、120Wの急速充電に対応している。スペック自体はXiaomi 11T Proと変わっていないのだが、急速充電はやや改良もなされているとのこと。

 では実際の充電速度はどの程度なのだろうか。バッテリーを使い切った状態から標準付属の充電器で充電を開始すると、充電を確認できるまでおよそ3分かかったものの、その後は順調に充電が進み、およそ11分30秒で50%に達した。

実際に120Wの急速充電をしているところ。かなりのスピードで充電がなされていく様子がわかる

 その後19分経過した時点では84%となり、およそ23分30秒で満充電という結果になった。公称値はバッテリーが2%から100%まで充電した時の最短時間なので、バッテリーが切れた状態から充電を開始するとどうしても充電が始まるまでのタイムロスが発生してしまうのだが、それを差し引けば19分という充電速度はあながち間違いではないだろう。

充電完了後、設定画面からバッテリーの推移を確認したところ。短時間のうちにかなりの勢いで充電されていることが分かる

 また、以前のレビューでXiaomi 11T Proの急速充電を試した際は、やはりバッテリーがゼロの状態から充電を開始して満充電に達するまで25~27分程度かかっていた。そのことを考えれば、急速充電の性能自体もややアップしているといえそうだ。

 これだけの急速充電をすると本体や充電器にかかる負荷や発熱が気になるところだが、充電中に温度を測定してみたところ本体、充電器共に34度前後に収まっており熱の発生はそこまで大きくない。もっとも充電器とケーブルは専用のものが必要で、サイズもかなり大ぶりである点は変わっていないことから、急速充電を利用できるシーンはやや限られてしまうので注意したい。

付属の専用充電器と本体を並べてみたところ。充電器の大きさがわかる

最新チップセット搭載で性能は申し分なし

 最後に本体性能について確認すると、チップセットはクアルコムのハイエンド向けとなる最新の「Snapdragon 8+ Gen1」を搭載しており、RAMは8GB、ストレージはオープン市場向けモデルが128GB、ソフトバンク向けモデルが256GBとなっている。最近のハイエンドモデルとして見ればRAMは抑えめだが、十分な性能を持つことが分かる。

 Xiaomi 11T Proはベンチマーク時の性能が落ちるなど、パフォーマンスの制御がかなり厳しめだった印象を受けたが、Xiaomi 12T Proは特に設定を変えることなくベンチマークを実施しても、他のSnapdragon 8+ Gen1搭載機種とスコアは大きく変わらない様子で、常時十分なパフォーマンスを発揮しているようだ。

「Geekbench 5」のCPUベンチマークのスコア

「3DMark」(Wild Life Extreme)のベンチマークスコア

 もちろんAAAクラスのゲームでグラフィック設定を最高にしてプレイしても、スムーズに動作する十分な性能を持っている。放熱も強化されているようで、30分以上ゲームプレイしていても熱くなりにくいほか、ディスプレーも120Hzのリフレッシュレートと最大480Hzのタッチサンプリングレートを備えているのでゲーミング用途として利用しても満足感は高い。

「PUBG MOBILE」のグラフィック設定はクオリティが「FHD」、フレーム設定が「ウルトラ」までと、現時点で最高水準の設定が可能だ

「原神」のグラフィック設定はデフォルトで「中」。だが最高水準に設定しても十分快適に動作する

 通信面を確認すると、物理SIMとeSIMのデュアルSIMに対応しており、もちろん5Gの利用も可能だ。ただし5Gのバンドn78(4.5GHz帯)には対応していないので、ドコモやそのMVNOをメインとして利用すると5Gのエリアが狭くなってしまう。もし利用するのであればサブ回線での利用がベストだろう。

SIMは物理SIMとeSIMのデュアルSIM構成で、スロットはnanoSIM×2のみ。microSDスロットは用意されていない

 またいわゆる日本仕様に関してだが、Xiaomi 12T ProはFeliCaに対応するが、防水・防塵性能はIPX53の生活防水レベルとなる。このあたりはXiaomi 11T Proと大きく変わっていないようだ。

【まとめ】性能は向上したが価格も10万円超に

 まとめると、Xiaomi 12T Proは比較的安価で高い性能を持つハイエンドモデルという、前機種の特徴を引き継ぎながらも、2億画素のカメラなどさらにインパクトのある性能を備え、より性能向上が進められている点はメリットが大きい。また携帯4社からは超高速の急速充電に対応したモデルが登場したことがないだけに、「神ジューデン」もソフトバンクユーザーに与えるインパクトが大きいのではないだろうか。

 ただ一方で、残念なポイントも2つある。1つは本文中で触れた通り、カメラモジュールの高性能化で出っ張りが非常に目立ってしまうこと。そしてもう1つは価格の高騰だ。

 というのもXiaomi 12T Proは性能強化やボディー素材の高級化、そして円安が影響してか、価格もオープン市場向けモデルで10万9800円、ソフトバンク向けモデルの一括価格で14万3280円と、いずれも10万円を超える価格となってしまっているのだ。それでもハイエンドモデルとしては値ごろなのだが、7~8万円程度で購入できたXiaomi 11T Proの価格的インパクトが非常に強かっただけに、価格が評価にマイナスの影響を与えてしまう可能性が気がかりでもある。

シャオミ「Xiaomi 12T Pro」の主なスペック
ディスプレー 6.67型有機EL(20:9)120Hz対応
画面解像度 1220×2712
サイズ 76×163×8.8mm
重量 約205g
CPU Snapdragon 8+ Gen 1
3.2GHz+2.75GHz+2GHz(8コア)
内蔵メモリー 8GB
内蔵ストレージ 128/256GB
外部ストレージ
OS MIUI 13(Android 12)
対応バンド 5G NR:n1/3/28/41/77/78
LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/13/17
/18/19/20/28
/38/39/40/41/42
無線LAN Wi-Fi 6
カメラ画素数 2億画素+800万画素(超広角)
+200万画素(マクロ)
イン:2000万画素
バッテリー容量 5000mAh(120W急速充電対応)
生体認証 ○(画面内指紋、顔)
FeliCa/NFC ○/○
防水/防塵 △/○(IP53)
USB端子 Type-C
イヤホン端子 ×
SIMスロット nanoSIM+eSIM
カラバリ ブルー、ブラック
発売日 12月16日
価格(SIMフリー版) 10万9800円

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