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NTT、IOWN 1.0で光電融合に取り組む、低電力化の課題に

2022年12月12日 09時00分更新

東京オペラシティで開催された「第179回 NTT東日本 N響コンサート」での実験の様子

 NTTでは、2023年3月からサービス提供を開始する「IOWN 1.0」に続く、今後のロードマップについても公表。あわせて、ロードマップの実現を支える光電融合デバイスの進化についても明らかにしている。

 光電融合とは、光回路と電気回路を融合させ、小型化、経済化、高速化、低消費電力化を実現する技術だ。

 NTTの島田社長は、「IOWNの最大の特徴は電力効率の向上であり、光電融合デバイスは低消費電力化に貢献するキーとなるデバイス。従来は複数のデバイスで構成していたものを同一のパッケージに組み込み、大幅に小型化することで、低電力化を図ることができる。また、光電融合デバイスを、APNサービスやサーバーにも適用することで、IOWNの高度化を図ることができる」と語る。

 「IOWN 1.0」では、100Gbpsのサービスを提供すると発表しているが、2023年度には400Gbpsの光電融合デバイスを開発。さらなる大容量化を実現するとともに、小型化、低電力化も図るという。

 また、2025年に開催される大阪・関西万博にあわせて、「IOWN 2.0」の商用化を発表する予定を明らかにし、ここでは、第3世代の光電融合デバイスを採用し、800Gbpsの大容量化を実現。デバイスの小型化によって、ネットワーク装置の小型化も実現できるという。さらに、2025年度にはボードとボード間、またはボードと外部インターフェース間の接続に光を利用するボード接続用デバイスを商用化。これにより、低消費電力サーバーの実現も可能になるという。

 島田社長は、「2026年度には、光電融合デバイスを搭載した低消費電力サーバーが商用化できるだろう。光電融合デバイスに加えて、波長技術や光ファイバー技術の向上により、IOWN 2.0では、電力効率がAPN部分で13倍、サーバー部分では8倍となり、大容量化は6倍になる」とした。

 また、2029年度には、「IOWN 3.0」のサービスを開始し、第4世代の光電融合デバイスを採用。ボード内におけるチップ間を光電融合技術で接続し、125倍の大容量化を達成し、電力効率はサーバー部分で20倍程度に向上するという。

 そして、2030年度以降には、「IOWN 4.0」のサービスへと進化。第5世代の光電融合デバイスを活用し、チップ内での光接続を可能にする。

 この時点で、現在のネットワークに比べて、電力効率が100倍、大容量化は125倍、遅延は200分の1という目標を達成することになる。

 いよいよサービスが開始されるIOWNだが、今回の一歩は、まさに序章に過ぎない。

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