凸版印刷は12月5日、周波数28~300GHzのミリ波帯において、複数の電波を選択的に吸収する、軽量・薄膜のマルチバンド対応ミリ波吸収体を開発したことを発表した。
本開発品は、メタサーフェス構造により、1枚のシートで複数の電波を選択的に吸収でき、無線通信機器からの電波の干渉や漏洩を低減し、高速・低遅延・多数同時接続を可能にするという。パターン形状により吸収する電波の「周波数」と「周波数帯域」を制御するため、メタサーフェス構造の微細化により、6Gで用いられるテラヘルツ波向けの電波吸収体にも応用できる。
従来品と比べておよそ96%の軽量化を実現し、薄膜かつ、フレキシブル性を有する。また、ミリ波吸収体の表面に木目や大理石などの意匠性を付与することができ、ミリ波を吸収する室内用壁紙として使用できる。
波長1~10mmで、周波数30~300GHzのミリ波において、反射電波の90%以上を吸収し、通信速度や遅延への影響を小さくできるという。
同社は今後、本開発品を活用した反射板などの電波環境改善部材を開発するとともに、電波環境に関する各種実証実験を通じて効果を検証し、空間設計技術の開発を進めていくとしている。
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