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位置情報の公開・共有に抵抗のない若者を増やしたアプリ

終了間近! Zenlyの功罪と後継アプリを再確認

2022年12月13日 10時00分更新

Zenlyが2023年2月3日にサービス提供終了。後継サービスは……?

交流を増やすがリスクも増やす

 若者に人気の位置情報共有アプリ「Zenly」のサービス提供終了が2023年2月3日に決定したと公式のTwitterアカウントから発表があった。

 ZenlyはAndroid版のダウンロード数が1000万を超え、10代を中心に高い人気を集めているが、マネタイズが難しかったとも言われている。今回はZenlyの功罪と後継アプリについて見ていこう。

 Zenlyは、過去にご紹介したとおり、若者の間のコミュニケーションやプライバシーに対する意識を変えてきた。

 位置情報を共有することでわかる情報は多く、コミュニケーションが効率的にできるようになったというメリットは大きいだろう。機会を逃さずに集まれたり、会いやすくなったりと、交流を増やすことにつながったようだ。

 一方、Instagramの普及で顔写真の公開が当たり前となったように、Zenlyが普及したことで位置情報の公開・共有に抵抗のない若者が増えてしまった。その結果、知らない人とも気軽に共有してしまい、ストーカー被害や傷害事件にもつながっている。

後継アプリ候補はNauNau、SnapMap、Googleマップ?

 執筆現在、AppStoreの無料アプリランキングトップにランクインしている「NauNau」が、Zenlyの代わりとして人気を集めているようだ。学生が作ったアプリで、見た目などはZenlyに寄せている。今後も支持を広げられるかに注目が集まる。

 一方、Zenlyを運営するSnap社は後継サービスとして、アプリ「Snapchat」の「SnapMap」機能を利用してほしいとアナウンスした。じつはこのSnapMapにもZenly同様、位置情報共有機能が用意されている。

 また、Zenlyの代替としては、普段利用している人も多いであろう「Googleマップ」の現在地共有機能も挙げられる。Googleアカウントを持っていない相手ともリンクを使った位置情報共有が可能で、ほかのユーザーの位置情報を確認したり、到着予定時刻を共有したりすることもできる。

じつはGoogleマップにもZenlyと似た機能は備わっているが……

 そのほか、位置情報SNS「Foursquare Swarm」でも、友人と位置情報を共有できる。

 Zenlyの機能がすべて搭載されたアプリは存在しないものの、位置情報を共有するコミュニケーションは上記の機能でも十分に楽しめるはずだ。

 位置情報共有の利便性を感じた若者たちは、今後も様々なアプリを利用して共有し続けるだろう。ただしこのようなアプリには交流を増やすメリットがある一方で、ストーカーなどの被害につながるリスクもあることは忘れてはならないだろう。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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