USB Type-C以外のiPhone 15のもう1つの話題
クアルコムとの関係は続く!?
iPhone 15に関する憶測は、USB-C以外にもある。以前から複雑な関係にあるクアルコムの5Gモデムを、アップルが2023年も使うというものだ。
アップルとクアルコムは法廷で激しく火花を散らしたのち、2019年に和解。2社はすべての訴訟を取り下げ、ライセンス料を不満としていたはずのクアルコムから5Gモデムを調達している。自社での開発も進めているはずなのだが、2023年でも間に合わなかったようだ。クアルコムが決算で今後も現在のレベルを維持するといった見通しを出したことから、アップルが引き続き同社から多くを調達するという見方がなされている。
このように、年末商戦が始まる前からiPhone 15の予想が出ている。このまま行くと、アップルにとっては巻き返しを図る端末になりそうだ。9月に発表したiPhone 14/iPhone 14 Plusは、ここまで販売動向が振るわないというレポートもある。USB-Cに切り替えることは需要の換気につながるかもしれない。新しさ、話題性は十分ある。
それにしても、Lightningを不便に感じていた人は多かったはず。結局はEUしかアップルにUSB-Cを採用させられなかったことになる。そして買い替えが進んでEU市民がメリットを享受でき、EUが主張するところの電子廃棄物が減るのは、さらに数年先になるだろう。その頃には充電用の端子を持たない完全無線(ワイヤレスチャージ)の端末も登場しているのかもしれないが。
筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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