3年ぶりにリアル開催された「IFA 2022」において、ヘッドホンの進化において興味のある展示が披露された。それが「Headphone 3.0」である。
Headphone 3.0はのSonicalという会社によるコンセプトだ。その進化はヘッドホン・イヤホン用のOSである「EarOS」を搭載することで実現されるという。いわば、“イヤー・コンピューター”のコンセプトだ。この計画にはクアルコムでaptX開発に携わっていたJonny McClintockなども参画している。
彼らによると、Headphone 1.0はウォークマンなどに使われる有線ヘッドホン、Headphone 2.0は現在の主流であるワイヤレスタイプで、音楽再生、電話応答、ANC搭載といった特徴を持つ“固定機能”のヘッドホンだという。Headphone 3.0では、その次の進化のためにOSを搭載し、さまざまなアプリを搭載できるようにするという。
例えば、音楽などの再生では、空間オーディオ対応、ゲーム対応、ハイレゾ会話、マルチチャンネル動画、没入型のAR/VRなどが挙げられる。また聴覚関連の分野では、パーソナライズされたプロファイル、聴覚保護、知的なノイズ制御、聴覚補助など。さらに健康分野では、フィットネストラッキング、健康測定、メンタル保護、睡眠測定などがある。
このようにヘッドホンがただ音楽を聞くだけでなく、ウェアラブル機器となり、IT化していくためのベースとなるのがEarOS(情報によってはCosmOS)というわけだ。機能はメーカーから提供されるだけではなく、ユーザーが自分でアプリケーションをインストールして選ぶ時代が来るとSonicalでは主張している。
Sonicalは、アイルランドで脳活動のモニタリングやニューロ技術を開発しているSegotiaと提携している。まず、Sonical自身がそうしたアプリケーションの例を示すためだろう。だ緒についたばかりだが、ますます高機能化するヘッドホンの先を見すえるために、なかなか興味深い進路を示していると言えるだろう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう